▽小中学校で生徒が日中スマホを無制限に使用することは、学校の教育的使命を妨げ、生徒の成績低下を引き起こし、ネットいじめを助長し、不安、うつ病、自殺の増加につながるという研究結果が出ている。
ブラジルのルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領が13日、学校でのスマートフォン使用を制限する法案に署名した。
法律は来月施行され、全土の小中高校に適用される。
教育委員会は学校での携帯電話の使用を制限、あるいは禁じる計画を立て、実施する。生徒が緊急時や危険な状況に置かれた時、教育目的、障がいにより使用が必要な時など、例外を設けることもできる。
ルラ氏は記者会見で、「ヒューマニズムがアルゴリズムに取って代わられることは許されない」と語った。
シンクタンクの調査によると、ブラジル国内のスマホ稼働数は人口より多く、昨年5月時点で推定2億5800万台がインターネットにアクセスしている。ブラジルの人口は約2億300万人だ。
さらに、ブラジル人が1日にスマホを操作する時間は9時間13分で、世界トップレベルであることも明らかになった。
専門家によると、小中学校で生徒が日中スマホを無制限に使用することは、学校の教育的使命を妨げ、生徒の成績低下を引き起こし、ネットいじめを助長し、不安、うつ病、自殺の増加につながるという研究結果が出ている。
学校の授業時間中に生徒がスマホを使用することは、生徒の学業成績や精神的健康に悪影響を及ぼす可能性がある。
さらに、教室でのスマホや関連機器の使用は、生徒の成績を低下させるだけでなく、不正行為やネットいじめの増加にもつながる可能性があるという。
ルラ氏は「子供たちが早い時期からインターネットを利用するようになり、親が子供の行動を把握することが難しくなっている」と述べ、「学校でのスマホ利用を制限することが子供の助けになる」と強調した。
この法案は左派だけでなく、極右政党からも支持され、圧倒的賛成多数で上下両院を通過した。
政府が昨年8月に公表した統計によると、2023年末時点で、全国の学校の約3分の2が携帯電話の使用に何らかの制限を課しており、28%が持ち込みを禁止しているという。
さらに、複数の州が学校でのスマホ使用を制限する州法を導入済みだ。しかし、多くの子供がルールを無視して学校にスマホを持ち込んだり、教師の警告を無視してスマホを使い続けているようだ。