◎コロンビア政府と反政府ゲリラの和平交渉には交渉オブザーバーまたは後方支援として双方をサポートする仲介国が参加してきた。
ベネズエラのマドゥロ大統領(Getty Images)

ベネズエラのマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領は13日、今年後半に予定されているコロンビア政府と左翼ゲリラ「民族解放軍(ELN)」の和平交渉で仲介を務めると発表した。

マドゥロ氏は国営テレビの演説で、コロンビアのペトロ(Gustavo Petro)大統領から要請を受けたと明らかにし、「ベネズエラはコロンビアと南米の平和・安全・安定に貢献できる」と述べた。

コロンビア政府と反政府ゲリラの和平交渉には交渉オブザーバーまたは後方支援として双方をサポートする仲介国が参加してきた。

2016年に始まった政府とELNの和平交渉ではベネズエラが仲介国として参加した。

しかし、コロンビア政府は2018年、政治的緊張が高まったとして、マドゥロ政権を仲介国から外した。

翌年、コロンビア政府はマドゥロ政権を退陣に追い込む米国主導の取り組みに参加。ベネズエラはコロンビアとの国交を断絶した。

今年選出された元左翼ゲリラのペトロ氏はベネズエラとの国交正常化に着手。緊張は緩和され、今月末には交易も再開される予定だ。

国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は今年初めに発表した報告書で、ベネズエラ軍の一部派閥が麻薬密売ルートの支配権を得るために、ELNと協力してベネズエラ国内で活動する反政府勢力を取り締まる共同作戦を実施したと報告している。

マドゥロ氏はELNとの関係を否定し、HRWを米国の手先と呼んだ。

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