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▽エセキボは石油資源が豊富で、過去数十年ガイアナの支配下に置かれている。その面積はガイアナの国土の7割近くを占める。
ベネズエラのマドゥロ大統領(Getty Images)

南米ガイアナの軍トップであるカーン(Omar Khan)参謀総長は21日、隣国ベネズエラが係争地で予定している選挙に参加した市民は国家反逆罪に問われる可能性があると警告した。

カーン氏はAP通信のインタビューで、「もしそれに参加したり、ベネズエラの主張を煽るような行動を取れば、国家反逆罪を含む罪に問われることになる」と語った。

ベネズエラの独裁者であるマドゥロ(Nicolás Maduro)大統領はガイアナとの係争地エセキボ地域で5月25日に地方議会選を行う予定だ。

カーン氏はAPに、「25日の選挙に関わるガイアナ在住のベネズエラ人は逮捕や国外追放に直面する可能性がある」と述べた。

ガイアナ外務省によると、エセキボには現在、直接または間接的にベネズエラ人の血を引く10万人近く市民が住んでいるという。

エセキボは石油資源が豊富で、過去数十年ガイアナの支配下に置かれている。その面積はガイアナの国土の7割近くを占める。

マドゥロ氏はガイアナがイギリスの植民地であった1899年にイギリス、ロシア、米国が国境を決めて以来、「ガイアナがエセキボを盗んだ」と繰り返し非難してきた。

エスキボは石油だけでなく、金、ダイヤモンド、木材、その他天然資源にも恵まれている。

10年前にガイアナ沖で油田が初めて見つかって以来、米石油大手エクソンモービルが主導するコンソーシアム(複数の企業が共同企業体を形成して1つのサービスを共同で行う取引)が急速に資源を開発。2019年に原油生産を開始し、昨年は日量60万バレルを生産した。

エクソンによると、今年の生産量は日量90万バレルを突破する見込みだ。

国際司法裁判所(ICJ)は今月初め、ベネズエラ政府がエセキボで選挙を行うことは違法であると裁定。ICJは過去にも同様の判決を下している。

しかし、マドゥロ政権はICJの判決を一蹴し、予定通り選挙を行うと主張している

マドゥロ氏は昨年、ICJ裁判が続いているにもかかわらず、この地域にベネズエラの自治体を発足させる法律を施行した。

さらにマドゥロ氏は23年末、エセキボに対するベネズエラの領有権主張の是非を問う国民投票を実施。マドゥロ氏は95%が賛成票を投じたことを受け、エセキボを武力で併合すると脅した。

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