エクアドル元副大統領に懲役13年、公的資金を不正流用

エクアドルの捜査当局は昨年4月、在メキシコ大使館に押し入り、グラス氏を逮捕。両国はその後、国交を断絶した。
2024年4月5日/エクアドル、首都キトの在メキシコ大使館に押し入る捜査当局(AP通信)

南米エクアドルの裁判所は6月30日、公的資金を不正に流用・横領したとして、グラス(Jorge Glas)元副大統領に懲役13年の実刑判決を言い渡した。

グラス氏は2件の汚職裁判で実刑判決を受け服役中。3年後に釈放される予定であったが、今回の判決により収監期間が2041年まで延長される可能性が高まった。

グラス氏は23年12月、汚職事件で逮捕状が出たことを受け、首都キトの在メキシコ大使館に逃げ込んだ。

エクアドルの捜査当局は昨年4月、在メキシコ大使館に押し入り、グラス氏を逮捕。両国はその後、国交を断絶した。

検察はグラス氏が2016年の大地震後の復旧・復興作業を主導した際、優先順位の低いプロジェクトに公的資金を投入し、その一部を横領したと主張している。

この不正に関与したとして、別の元高官も懲役13年を言い渡された。

裁判所はグラス氏が不正に関与したことを認め、情状酌量の余地はないと断じた。

復興資金は税金で調達されたもので、裁判官はグラス氏がこれを他の無関係なプロジェクトに流用し、業者を通じてその一部を横領したと指摘している。

グラス氏の弁護士は検察の主張を否定。「証拠がなく、このプロジェクトは個人や第三者の利益のために行われたものでもない」と主張していた。

また弁護士はノボア氏政権が政治的な理由でグラス氏を弾圧していると批判した。

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