スポンサーリンク
▽デモ隊は複数の政党が国会に提出した法案が定足数に達しず、廃案になったことに抗議した。
2025年5月21日/アルゼンチン、首都ブエノスアイレスの国会議事堂前、年金改革に抗議する人々と機動隊(ロイター通信)

南米アルゼンチン・ブエノスアイレスの国会議事堂前で21日、ミレイ(Javier Milei)大統領に抗議するデモが行われ、一部の市民と機動隊が衝突した。

現地メディアによると、この乱闘で警察官を含む数十人が負傷したという。

地元テレビ局が報じた映像には、機動隊とデモ参加者が押し合いになる中、多くの抗議者がミレイ氏の政策に抗議する歌を歌う様子が映っていた。

デモ隊は複数の政党が国会に提出した法案が定足数に達しず、廃案になったことに抗議した。左派は年金の増額や退職者への給付継続を含むいくつかの法案を提出した。

ミレイ氏は左派と右派の提案を「荒唐無稽」と呼び、どちらにも反対。どちらの法案も廃案になった。

23年末に就任したミレイ氏は過去の左派政権が残した負債を一掃すると宣言。緊縮財政を推進し、手厚い補助金を軒並み削減、物価統制を廃止し、通貨切り下げを含む経済改革に着手した。

その結果、300%近くまで上昇したインフレ率は1桁台まで低下。16年ぶりに四半期ベースで財政黒字を達成するなど、多くの経済的成功を収めてきた。

しかし、補助金頼みの生活を送ってきた低所得者層はミレイ氏の激しいショック療法に耐え切れず、生活環境が悪化。貧困率は一時50%を超えた。

政府の統計によると、24年末時点の貧困率は人口の38%まで改善したという。それでも高い。

世界銀行と国際通貨基金(IMF)はミレイ氏の緊縮政策を高く評価しているが、左派政党は批判を強め、毎週のように抗議デモを行っている。

労働組合やサッカーサポーターも頑強なインフレが改善し、公共支出が削減される中、年金削減に抗議する退職者の列に加わった。

フェルナンデス(Cristina Fernández)元大統領の与党連合「祖国のための同盟(UP)」の議員団は21日、「年金受給者が37万9000ペソ(約4万7000円)というわずかな年金で生活していることに無関心でいるわけにはいかない」と声明を出した。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク