◎フェルナンデス副大統領は今月1日、自宅前で支持者に挨拶していた際、拳銃を突き付けられた。
アルゼンチンのフェルナンデス副大統領(Agustin Marcarian/ロイター通信)

アルゼンチンクリスティナ・フェルナンデス(Cristina Fernández)副大統領は23日、自身に対する汚職事件の最終弁論で検察を非難し、告発を「作り話」と一蹴した。

フェルナンデス氏は2007~2015年の2期8年にわたり大統領を務めたものの、在任中の汚職疑惑により、検察に禁錮12年を求刑されている。

首都ブエノスアイレスで今月初めに発生したフェルナンデス氏の暗殺未遂事件は国民に衝撃を与えたが、最新の世論調査によると、同氏の無実を支持する割合は30%にとどまった。

フェルナンデス氏は今月1日、自宅前で支持者に挨拶していた際、拳銃を突き付けられた。この拳銃には実弾が5発装填されていたものの、引き金を引いても弾は発射されなかった。

警察はブラジル国籍のフェルナンド・アンドレス・ザバック(Fernando Andrés Zabak)35歳をその場で逮捕。その後、事件に関与したとされる男女2人を逮捕した。

フェルナンデス氏は最終弁論の中で、「この裁判は私に汚名を着せ、追放し、誹謗し、中傷するためのものだと考えていました。しかし、9月1日の暗殺未遂事件で、裁判の背後に恐ろしい何かがうごめいていることに気づいたのです」と語った。

「司法と検察を支配する恐ろしい権力者は私の死を望み、容疑者に殺しのライセンスを与えたのです」

この暗殺未遂事件は広く非難を浴びたが、フェルナンデス氏に対する国民の評価はほとんど変わらなかった。

フェルナンデス氏は逮捕された3人を「ただの駒」と呼び、「恐ろしいあのグループが攻撃を計画した」と主張した。

地元の法廷記者によると、ブエノスアイレスの判事3人はフェルナンデス氏の話を真剣に聞き、頷き、落ち着くよう促したという。

検察はフェルナンデス氏が大統領在任中に南部サンタクルス州にある故キルチネル(Nestor Kirchner)元大統領の関連会社が所有する企業に便宜を図り、公共道路工事を受注させたと主張している。

工事契約は51件に上り、このうち道路工事関連の事件で起訴された被告は昨年、別のマネーロンダリング事件で有罪判決を受けている。

スポンサーリンク