◎機動隊はエクアドル国境に近いナリノ地方で活動するゲリラの銃火器を押収した。
2023年1月16日/コロンビア、首都ボゴタ、武装勢力から押収した武器と警察関係者(Luisa Gonzalez/ロイター通信)

コロンビア警察は16日、コロンビア革命軍(FARC)と対立する反政府ゲリラが所有していた銃火器を押収したと発表した。

政府とFARCは2016年に和平協定を結んだものの、左翼ゲリラ「民族解放軍(ELN)」やその他の武装ゲリラはベネズエラ国境付近などで活動を続け、軍や警察への攻撃を継続している。

当局によると、機動隊はエクアドル国境に近いナリノ地方で活動するゲリラの銃火器を押収したという。

このゲリラは2016年の和平協定を拒んでいるものの、ペトロ(Gustavo Petro)大統領が昨年末に発表した停戦協定には合意していた。

機動隊は機関銃やショットガンなどの銃器33丁、手榴弾、ナイフ、弾丸3万発以上、防弾チョッキなどの装備品を押収した。当局によると、これらの銃火器は2台の車両で運ばれていたという。

連邦警察の報道官は記者団に対し、「この押収で左翼ゲリラは大打撃を受けたと確信している」と語った。

当局によると、銃器は米国、イスラエル、ロシア製のものが含まれていたという。報道官は銃器の出自について、「調査を進めている」と述べるにとどめた。

また報道官は「銃火器の移動が停戦協定違反かどうかは、政府の判断に委ねられる」と述べた。

ペトロ氏は元左翼ゲリラであり、ELNなどとの完全な和平を目指して交渉を進めている。コロンビア内戦の犠牲者は45万人以上と推定されており、その大半が1985年~2018年の戦闘で死亡した。

コロンビアでは近年、政府の管理下にない地域(主にベネズエラ国境付近)や、麻薬取引などの違法行為が確認されている地域で暴力が急増している。

地元の人権団体によると、昨年確認された殺人や虐殺は確認できているだけで100件近くに達したという。

政府は2016年にFARCと和平協定を結び、構成員の武装解除に成功したが、、ELNを含む反FARC勢力は協定を拒み、麻薬密売や違法採掘で利益を上げ、軍・警察・民間人を執拗に攻撃している。

政府は昨年末、ELNとの第1回和平交渉を終了した。

そしてペトロ氏は大晦日にELNを含む5大ゲリラと一時停戦に合意したと発表した。期間は1月1日~6月30日までの予定だ。

しかし、ELNは「そのような約束はしていない」と声明を出し、政府はペトロ氏の声明を一部訂正した。

内務省によると、ELNを除く4大ゲリラとの停戦は6月30日まで続くという。

2023年1月16日/コロンビア、首都ボゴタ、武装勢力から押収した弾薬と装備品(Luisa Gonzalez/ロイター通信)
スポンサーリンク