◎コロンビアとベネズエラの貿易は2015年以降、急激に減少した。
2023年2月16日/コロンビアのペトロ大統領(左)とベネズエラのマドゥロ大統領(Juan Cano/Colombian Presidential Press Office)

コロンビアとベネズエラの首脳が16日、両国の国境で会談し、数十の製造品関税を撤廃する貿易協定に署名した。

コロンビアのペトロ(Gustavo Petro)大統領は昨年の就任時にベネズエラとの関係改善を約束。昨年11月にマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領を首都カラカスに招き、貿易や安全保障などについて協議していた。

ペトロ氏は記者団に対し、「この協定は貿易を容易にするだけでなく、人々の往来も活発にする」と述べた。

コロンビアとベネズエラの貿易は2015年以降、急激に減少した。

マドゥロ氏は2019年、コロンビア国境を数カ月に渡って閉鎖。その後、両国を結ぶ国境橋にはコンテナが置かれ、外交関係断絶となった。

コロンビアのドゥケ(Ivan Duque)前大統領は米国との関係を重視し、ベネズエラの野党党首グアイド(Juan Guaido)氏を大統領と公式に認め、マドゥロ氏に撤退を要求した。

米国、EU、コロンビアを含む数十カ国は2018年の大統領選に立候補したグアイド氏をベネズエラの大統領と認めている。

しかし、元左翼ゲリラのペトロ氏はベネズエラとの関係改善を約束。国交を回復した。両国の首脳が会談したのは7年ぶりであった。

ペトロ氏はマドゥロ氏をベネズエラの大統領と認め、国際社会からマドゥロ氏を孤立させる取り組みから距離を置いた。

ペトロ氏はマドゥロ氏に米州機構(OAS)の人権機関に復帰するよう求め、さらに、両国の国境付近で活動する反政府ゲリラとコロンビア政府の和平交渉を仲介するよう要請している。

スポンサーリンク