◎クラン・デル・ゴルフォは右翼の準軍事組織の元メンバーが2000年代初頭に設立。地方で独自の裁判所を運営し、地元企業からみかじめ料を徴収するなどして勢力を拡大している。
コロンビアのペトロ大統領(Getty Images)

コロンビアのペトロ(Gustavo Petro)大統領は19日、同国最大の麻薬カルテル「クラン・デル・ゴルフォ」が和平に向けた交渉を開始することで合意したと明らかにした。

元左翼ゲリラのペトロ氏は同国最大のゲリラ「民族解放軍(ELN)」、クラン・デル・ゴルフォなどの麻薬カルテル、人身売買組織を含む全ての反政府勢力と和平協定を結ぶと公約に掲げ、交渉を進めている。

クラン・デル・ゴルフォはペトロ氏が進めている和平の最大の関門とみなされている。

ペトロ氏はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「クラン・デル・ゴルフォに麻薬密売から手を引き、みかじめ料の徴収をやめ、米国を目指す移民から金を集めるのをやめるのであれば、和平交渉を始める用意があると伝えた」と書き込んだ。

それによると、クラン・デル・ゴルフォは和平交渉を開始することで合意したという。

地元メディアは政府関係者の話しとして、「クラン・デル・ゴルフォの弁護団は人身売買への関与を否定している」と報じた。

クラン・デル・ゴルフォは右翼の準軍事組織の元メンバーが2000年代初頭に設立。地方で独自の裁判所を運営し、地元企業からみかじめ料を徴収するなどして勢力を拡大している。

国際シンクタンク「国際危機グループ」が19日に公表した報告書によると、クラン・デル・ゴルフォの構成員は推定9000人。麻薬の密売などで年間40億ドル以上稼ぎ、コロンビアで最も裕福な犯罪組織となっている。

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