◎双方は1カ月前からキューバの首都ハバナで和平に向けた交渉を続けてきた。
2023年6月9日/キューバ、首都ハバナ、コロンビアのペトロ大統領(左)とキューバ共産党のディアスカネル大統領(Ramon Espinosa/AP通信)

コロンビア政府と同国最大の左翼ゲリラ「民族解放軍(ELN)」が9日、6カ月間の停戦に合意した。

双方は1カ月前からキューバの首都ハバナで和平に向けた交渉を続けてきた。

ELNは1960年代に学生、労働組合、神父らによって結成され、キューバ革命からインスピレーションを得たとされる。構成員数は2500~4000人と推定され、ベネズエラでも活動し、金鉱山での違法採掘や麻薬密売で利益を上げている。

政府は2016年にコロンビア革命軍(FARC)と和平協定を結んだが、一部地域、特にベネズエラ国境の広い範囲は現在もELNや麻薬カルテルの支配下に置かれている。

式典に出席したコロンビアのペトロ(Gustavo Petro)大統領は記者団に対し、「この合意はコロンビアに平和の時代が来たことを告げる」と語った。

式典にはELNの最高司令官であるガルシア(Antonio García)氏とキューバ共産党のディアスカネル(Miguel Diaz-Canel)大統領も出席した。

停戦は段階的に実施され、8月に完全発効し、その後6ヶ月間継続される予定だ。

ELNの主席交渉官は停戦合意を称賛し、「紛争は外交で解決できる」と述べた。

今回の停戦交渉は8日に終了する予定だったが、双方が合意の詳細を詰めるよう求めたため、1日延期された。

それによると、双方は永続的な和平を確立するための専門家委員会を7月下旬までに設置する必要があるという。

この交渉はELNが2019年に首都ボゴタの警察学校を爆破し、士官候補生22人を殺害したことで打ち切られた。

元左翼ゲリラのペトロ氏は昨年8月の就任後まもなく、コロンビア内戦を終結させるためにELNとの和平を目指すと宣言。同11月に交渉をスタートさせた。

コロンビア内戦の犠牲者は45万人以上と推定されており、その大半が1985年~2018年の戦闘で死亡したとされる。

地元メディアによると、ELNは麻薬密売ルートやその他の資源をめぐってFARCの残党やギャングと戦争状態にあり、主にベネズエラ国境付近で小規模な戦闘が続いているという。

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