◎FARC-EMCは2016年に中央政府と和平協定を結んだコロンビア革命軍(FARC)の分離組織。この協定に反対する勢力が結成した。
コロンビア革命軍(FARC)の戦闘員(Getty Images)

コロンビア政府は15日、今週期限切れとなる予定だった左翼ゲリラ「FARC-EMC」との停戦を延長すると発表した。

FARC-EMCは2016年に中央政府と和平協定を結んだコロンビア革命軍(FARC)の分離組織。この協定に反対する勢力が結成した。

ペトロ(Gustavo Petro)大統領が署名した政令によると、停戦は7月15日まで維持され、FARC-EMCに対し、その支配下にある地域での戦闘を控えるよう求めている。

FARC-EMCはFARCの元現地指揮官が率い、戦闘員数は約3500人と推定されている。FARCの戦闘員1万4000人以上が2016年の和平協定で武器を置いた。

ペトロ氏は2022年末、同国最大の左翼ゲリラ「民族解放軍(ELN)」との和平交渉が順調に進んでいることを受け、他の組織への攻撃も停止するよう関係部門に命じた。

しかし、コロンビア内戦終結に向けた交渉は今のところ成果を上げておらず、一部地域における軍・警察への攻撃は止んだように見えるものの、市民への攻撃は続いている。

地元の人権団体は政府とFARC-EMCの停戦協定について、「市民生活を改善するには至っておらず、今回の延長で風向きが変わるか注目される」と指摘している。

中央政府は昨年10月、FARC-EMCと停戦を結び、和平交渉を開始した。

2016年に和平協定が結ばれて以来、同国の殺人事件数は減少傾向にあるが、FARC-EMC、ELN、麻薬カルテルやギャングの支配下にある地域では暴力が拡大している。

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