◎犠牲者の多くは武装勢力や麻薬密売組織などに目を付けられ殺害されたと考えられている。
2008年8月2日/コロンビアの傭兵(Getty Images/AFP通信)

コロンビアの人権オンブズマンは26日、国内で活動する人権活動家や地域社会の指導者52人が1月~3月の間に殺害されたと明らかにした。

オンブズマンによると、2021年通年の犠牲者は145人で、今年はこれを上回る可能性が高いという。

犠牲者の多くは武装勢力や麻薬密売組織などに目を付けられ殺害されたと考えられている。

地元紙エル・ティエンポは当局者のコメントを引用し、「52人のうち28人は土地所有者と地域社会の権利活動家、9人は先住民族の権利保護を訴える活動家、4人は農業関連の活動家だった」と報じた

52人のうち48人は男性、4人は女性。

オンブズマンは「コロンビアは活動家にとって、最も危険な国のひとつである」とあらためて懸念を表明した。

14歳の先住民族活動家ブレイナー氏が射殺された事件は地域社会に大きな衝撃を与えた。同氏は1月、先住民族の土地をパトロール中、何者かに射殺された。

コロンビア政府は2016年、国内最大の反政府武装勢力コロンビア革命軍(FARC)と停戦協定を結んだ。しかし、他の武装ギャングや麻薬密売組織はそれ以降も活動を継続しており、各地で事件を引き起こしている。

地元メディアによると、反体制派のゲリラ部隊「国民解放軍(ELN)」や、極右の準軍組織などの武装勢力が昨年末頃から各地で領土争いを繰り広げており、特に農村部の治安が悪化しているという。

報告書をまとめた人権オンブズマンのカマルゴ氏は、「人権活動家や地域社会の指導者への攻撃は、民主主義に深刻な影響を与える」と警告している。

2020年に殺害された自然保護活動家は227人に上り、その4分の3が中南米で報告された。

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