BRICS首脳が多国間主義の擁護で合意、米国との対立深まる中

首脳たちは7日に共同声明を出す予定だ。
2025年7月5日/ブラジル、リオデジャネイロ、ルラ大統領(右)と中国の李強首相(ロイター通信)

BRICS(新興5カ国)の首脳が6日、ブラジル・リオデジャネイロで会合を開き、伝統的な欧米の機関改革を求め、ますます分裂が進む世界において多国間外交を支持する立場を表明した。

G7やG20などの国際的な枠組みが分裂やトランプ米政権の「アメリカ第一主義」というアプローチによって機能不全に陥る中、BRICSは順調に拡大しているように見える。

ルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領は開会の辞で、冷戦時代の非同盟運動、二極化した世界秩序のどちらの側にも正式に参加することを拒否した開発途上国グループとの類似点を指摘した。

「BRICSは非同盟運動の継承者である」とルラ氏は首脳たちに語った。「多国間主義が攻撃を受けている今、私たちの自主性は再び試練にさらされています...」

またルラ氏は「BRICS経済圏は現在、世界人口の過半数と経済生産量の40%を占めている」と強調。保護主義が台頭していると警告した。

首脳たちは7日に共同声明を出す予定だ。ロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領はオンラインで出席した。

BRICSはブラジル、ロシア、インド、中国によって2006年に設立され、2010年に南アフリカが加盟。23年にはイラン、エジプト、エチオピア、UAE(アラブ首長国連邦)の4カ国、今年初めにインドネシアが加盟した。

サウジアラビア、トルコ、アゼルバイジャン、マレーシアが正式に加盟を申請、その他数カ国が関心を示している。

グローバルサウスを代表する役割を目指すBRICSの外交的な影響力は強化されつつあるが、紛争地域に関する地政学的問題での共通の立場を確立するのに苦労している。

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