BRICS首脳、ガザとイランへの攻撃を非難 共同声明
G7やG20などの国際的な枠組みが分裂やトランプ米政権の「アメリカ第一主義」というアプローチによって機能不全に陥る中、BRICSは順調に拡大しているように見える。
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BRICSは7日、パレスチナ・ガザ地区とイランに対する攻撃を強く非難した。
BRICSは共同声明で、イランの民間インフラと「平和的な原子力施設」に対する攻撃を「国際法違反」と指摘した。
またBRICSはイスラエルによるガザ攻撃と、パレスチナ人が危機的状況に置かれていることに深刻な懸念を表明した。
さらに、インド統治下のカシミール地方で4月に発生したテロ攻撃(26人死亡)も非難した。
貿易に関しては、トランプ米政権を念頭に置き、関税の引き上げが世界貿易を脅かすと警告。ますます分裂が進む世界において、多国間外交を支持する立場を明確にした。
BRICSは加盟国であるエチオピアとイランにWTO(世界貿易機関)加盟を促す一方、貿易戦争の解決能力の早期回復を呼びかけた。
またBRICSは多国間保証イニシアチブを同グループの新たな開発銀行内で試行する計画を支持し、加盟国における融資コストの低減と投資を促した。
ロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領はオンラインで出席した。
G7やG20などの国際的な枠組みが分裂やトランプ米政権の「アメリカ第一主義」というアプローチによって機能不全に陥る中、BRICSは順調に拡大しているように見える。
BRICSはブラジル、ロシア、インド、中国によって2006年に設立され、2010年に南アフリカが加盟。23年にはイラン、エジプト、エチオピア、UAE(アラブ首長国連邦)の4カ国、今年初めにインドネシアが加盟した。
サウジアラビア、トルコ、アゼルバイジャン、マレーシアが正式に加盟を申請、その他数カ国が関心を示している。
グローバルサウスを代表する役割を目指すBRICSの外交的な影響力は強化されつつあるが、紛争地域に関する地政学的問題での共通の立場を確立するのに苦労している。