ブラジル議会上院、「環境許認可」緩和法案を可決、批判も

▽この法案は今年11月にCOP30(国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議)を主催にするブラジルが環境政策をめぐって分裂していることを浮き彫りにしている。
ブラジル、COP30(国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議)の議長を務めるド・ラーゴ氏(ロイター通信)

ブラジルの連邦議会上院が環境活動家やルラ政権内部の批判にもかかわらず、環境許認可を緩和する法案を賛成多数で可決した。地元メディアが22日に報じた。

それによると、上院は21日深夜の採決でこの法案を賛成54ー反対13で可決したという。

この法案はダムや基本的な衛生設備など、影響が小・中規模のプロジェクトであれば、環境保全機関「環境・再生可能天然資源院(IBAMA)」の承認なしに建設できるようにするものだ。

法案は来週、下院で審議入りする予定。有力な農業関連企業や大統領首席補佐官らルラ政権の高官から幅広い支持を得ている。

この法案は今年11月にCOP30(国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議)を主催にするブラジルが環境政策をめぐって分裂していることを浮き彫りにしている。

シルバ(Marina Silva)環境・気候変動相はこの法案を「大きな後退」と批判してきた。

IBAMAは国営ブラジル石油公社(ペトロブラス)による掘削要求を含む、ライセンス審査の遅れに対する厳しい監視に直面している。

ブラジルの森林伐採は昨年、22年の大統領選でアマゾンの保護を公約に掲げたルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領の下、過去10年間で最低レベルに低下した。

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