◎市民が所持できる銃の数は1人4丁から2丁に、それぞれの銃に許される弾薬数が200発から50発に変更され、銃器を所持する際には必要書類の提出が必要となった。
2022年10月25日/ブラジル、最大都市サンパウロの射撃場(Matias Delacroix)AP通信)

ブラジルのダシルバ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領が21日、銃規制を強化する政令に署名した。

これにより、市民が所持できる銃の数は1人4丁から2丁に、それぞれの銃に許される弾薬数が200発から50発に変更され、銃器を所持する際には必要書類の提出が必要となった。

また、一般市民は9ミリ拳銃を所持できなくなった。

ダシルバ氏は演説で、「一般市民は自分の身を守るために、法律に基づいて銃を所持できるが、国を火薬庫に変えたり、重火器の流通は許可しない」と語った。

ボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領は2019~22年までの大統領在任中、「善良な市民」には家族や資産を守る権利があるとして、銃や弾薬の所持に関する規制を大幅に緩和した。

地元メディアによると、ブラジル国内で民間人が保有する銃器の数は推定290万丁。同国の人口は約2億1400万人であり、その数と割合は米国に比べるとはるかに低い。

ボルソナロ氏の任期中、同国の殺人事件数は安定していた。

それによると、ボルソナロ氏の任期最後の年である2022年の殺人件数は約4万7500件。2019年とほぼ同水準だった。

銃規制緩和の恩恵を受けた射撃場は厳しい現実に直面しているようだ。ダシルバ氏の政令により、射撃場の営業可能時間は午前6時~午後11時までとなり、学校(幼稚園や保育園含む)から1km圏内にある施設は営業できなくなった。

また、銃所持を許可する免許の期間も10年から3~5年(銃の種類や用途によって異なる)に短縮された。

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