◎ボルソナロは1年以上前から電子投票システムには欠陥があると指摘していたが、一度も証拠を示さなかった。
2022年10月30日/ブラジル、首都ブラジリア、電子投票機をチェックする職員(Eraldo Peres/AP通信)

ブラジル高等選挙裁判所は23日、大統領選で使用された電子投票機に問題があるというボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領の異議申し立てを却下した。

高裁は与党自由党に対し、決選投票だけでなく第1回投票も請願の対象に含め、その証拠も合わせて提出するよう命じ、修正猶予は24時間としていた。

23日未明、自由党の報道官と弁護士が記者会見を開き、修正報告書は提出しないと発表した。

高裁は声明で、「原告の奇妙で不正な要求が正しいことを示す証拠は提示されなかった」と述べている。

また高裁は「不誠実な申し立て」をしたとして、自由党に罰金2300万レアル(約6億円)の支払いを命じ、支払われるまで自由党の政治資金を凍結するとした。

ボルソナロ陣営は22日、33ページにわたる請願書を高裁に提出し、2020年に導入された電子投票機約28万台のソフトウェアにバグがあると指摘。電子投票をすべて無効にするよう求めた。

陣営はバグの詳細を説明していない。地元メディアは専門家の話を引用し、「電子投票機に問題はなく、バグがあれば容易に特定できる」と報じている。高裁も同じ見解を示した。

また高裁は「不誠実な申し立て」に関与したコンサルタントを調査するよう命じている。

高裁は声明の中で、「自由党の異議申し立ては政治的動機によるものであり、証拠を示さずに選挙結果に異議を唱えることはフェアではなく、それに関与した個人および組織は厳しく罰せられる」述べている。

高裁は先月末、ダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)元大統領の勝利を認め、西側と東側の指導者も結果を受け入れた。

しかし、ボルソナロ氏は敗北を認めず、その支持者も全国で小規模なデモを続けている。

ボルソナロは1年以上前から電子投票システムには欠陥があると指摘していたが、一度も証拠を示さなかった。

ブラジルは1996年に電子投票機を導入した。専門家によると、電子投票の安全性は投票用紙に比べると低いという。

しかし、ブラジルのシステムは国内外の専門家によって綿密に調査され、不正行為の証拠は今のところ見つかっていない。

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