◎ヤノマミはブラジル最大の先住民族であり、アマゾンの北西端に位置するロライマ州とアマゾナス州にまたがる広大な土地の中で生活している。
2023年4月25日/ブラジル、北部ロライマ州、抗議デモの準備をするヤノマミの若者(Matias Delacroix/AP通信)

ブラジルの警察当局は30日、北部ロライマ州の先住民族ヤノマミが生活する地区で銃撃事件が発生し、1人が死亡、2人が負傷したと明らかにした。

州警察は違法採掘業者とみられる男の行方を追っている。

それによると、事件は29日に発生。男はヤノマミとみられる男性1人を殺害、2人に重傷を負わせ、逃亡したという。

州警察の声明の中で、「連邦政府の調査官と国家警察の部隊が捜査を支援している」と説明したが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。

ダシルバ政権は今年初め、アマゾンの熱帯雨林に暮らすヤノマミが金の違法採掘による健康被害に苦しめられていることを受け、非常事態を宣言。ヤノマミが生活する地区で許可なく金採掘を行っている業者の取り締まりを本格化させた。

アマゾンで採掘された金は採掘した場所などを示す証明書の発行を義務付けられているが、違法業者やブローカーはこれを行わず、中央銀行の監視を潜り抜けて金を売買している。

政府によると、違法取引に関わった組織は2020~22年の間に40億レアル超の金を取り引きし、その一部は英石油大手シェルの名を装って領収書を発行し、合法であるかのようにみせかけたという。

政府は2月時点で約2万人が違法採掘に関与していると推定。違法業者は有毒な水銀を使って金を分離し、ヤノマミの水源を汚染、子供を含む多くの市民が公害に苦しんでいる。

ヤノマミはブラジル最大の先住民族であり、アマゾンの北西端に位置するロライマ州とアマゾナス州にまたがる広大な土地の中で生活している。

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