◎最高裁は13日、検察庁に対し、ボルソナロ氏を捜査対象に加えるよう命じた。
ブラジルの最高裁判所は13日、首都ブラジリアの政府庁舎が襲撃を受けた事件について、ボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領を捜査対象に加えることに同意した。
ボルソナロ氏の支持者は8日、連邦議会や最高裁を襲撃し、機動隊と衝突した。当局によると、これまでに約1500人が暴動に関与したとして逮捕された。
デモ隊は昨年10月末の大統領選決選投票に異議を唱え、ダシルバ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領に退陣を迫っている。
最高裁は13日、検察庁に対し、ボルソナロ氏を捜査対象に加えるよう命じた。
ボルソナロ氏は先週、大統領選の結果に異議を唱える動画を投稿し、「ダシルバ氏を選んだのは有権者ではなく、最高裁と選挙管理当局だ」と主張した。
この動画は8日の暴動後に投稿され、その後削除されたが、検察庁はその内容が暴動を肯定し、扇動に当たる可能性があると指摘した。
ボルソナロ氏の支持者は選挙で不正があったと主張している。
一部のデモ隊はブラジリアやサンパウロなどの主要都市に野営し、軍にクーデターを起こすよう呼びかけていた。
一方、米フロリダ州に渡ったボルソナロ氏は腹痛で入院し、退院できずにいるようだ。
同氏は先月末、ダシルバ氏への権力移譲を拒否し、米国に飛んだ。
当局は暴動を支援したとされる高官や企業経営者なども捜査対象に含めている。これに先立ち、トレス(Anderson Torres)前法務・公安相もフロリダ州に飛んだ。
地元メディアは「トレス氏の自宅から昨年の大統領選の結果を覆す法令案を準備していた証拠が見つかった」と報じたが、トレス氏はこの報道を否定している。
ディノ(Flavio Dino)法務・公安相は13日、トレス氏に対し、16日までに出頭するよう要請した。
ダシルバ氏も12日、大統領府の関係者が暴徒を支援したと発表し、暴動に直接関与した者以外の調査も徹底すると国民に約束した。
地元メディアによると、当局は暴動に関与したとされる高官らの逮捕状を発行したという。その中にトレス氏も含まれるとみられるが、詳細は明らかにされていない。