◎アニェス氏の弁護団は控訴する意向を示している。
2019年11月12日/ボリビア、首都ラパス、ヘアニネ・アニェス上院議員(Marco-Bello/ロイター通信)

南米ボリビアの裁判所は10日、元暫定大統領のアニェス(Jeanine Anez)被告に禁固10年の実刑判決を言い渡した。

アニェス被告は昨年、モラレス(Evo Morales)元大統領の退陣と亡命につながった事実上のクデーターに関与したとして逮捕、起訴された。

アニェス氏の支持者はクーデター疑惑を否定し、モラレス氏の権力乱用が全国規模の街頭抗議デモと蜂起を引き起こしたと主張している。

一方、モラレス氏側は、アニェス氏を含む当時の政権関係者が意図的に混乱を引き起こし、大統領の亡命と副大統領および上下両院議長の辞職につながり、当時上院副議長だったアニェス氏が権力を手中に収めたと指摘している。

アニェス氏の弁護団は控訴する意向を示している。

アニェス氏は刑務所で録画されたインタビューの中で、「私は大統領になるために指一本動かしておらず、この国を平和にするために暫定大統領に就任した」と述べている。

モラレス氏2019年10月に行われた大統領選で5期目を目指したが、不正を働いたという疑惑が浮上し、退陣した。モラレス氏は当時、国家警察や軍などから辞任を要求されていた。

モラレス氏の退陣に抗議するデモは暴動に発展し、治安部隊の取り締まりで少なくとも37人が死亡、数百人が負傷した。モラレス氏は暴動後、メキシコに亡命した。

モラレス氏が率いた社会主義運動(MAS)は2020年の選挙で政権に返り咲き、モラレス氏はその後、ボリビアに帰国している。

MASの報道官は10日、「この裁判は不処罰に対する歴史的な先例になる」と語った。

裁判所は軍の元司令官と警察トップにも禁固10年を言い渡している。

首都ラパスのアニェス被告が収容されている刑務所前では、約50人がより厳しい刑期を求めるデモを行った。

2022年6月10日/ボリビア、首都ラパスの刑務所前、ヘアニネ・アニェス元暫定大統領に禁固30年の実刑を求める抗議者(Juan Karita/AP通信)
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