◎6月のインフレ率は前年同月比で4.6%増。5月の4.2%からわずかに上昇した。
アルゼンチンのミレイ大統領(ロイター通信)

アルゼンチンの6月の消費者物価指数(CPI)が3カ月連続で一桁台を記録。ミレイ政権による財政健全化政策が順調に機能しつつあることを示した。

統計局が12日に公表したデータによると、6月のインフレ率は前年同月比で4.6%増。5月の4.2%からわずかに上昇した。

国際通貨基金(IMF)は同国のインフレ率が今年2.8%まで低下すると予測している。

しかし、年間のインフレ率はいまだに200%超を維持。人口の大多数を占める低中所得者層が厳しい生活を余儀なくされている。

昨年就任したミレイ(Javier Milei)大統領の緊縮財政により、月次インフレ率は大幅に低下。16年ぶりに四半期ベースで財政黒字を達成するなど、多くの経済的成功を収めているようにみえる。

しかし、同国の物価はミレイ氏が就任する前の時点で欧米の先進国の水準まで上昇し、低中所得者層の生活を直撃。経済的苦境に拍車をかけている。

ミレイ氏は最近、過去数十年で最悪の経済危機との戦いに勝利したと宣言した。

ミレイ氏は過去の左派政権による手厚い補助金を軒並み削減、物価統制を廃止し、自国通貨アルゼンチン・ペソの切り下げを含む抜本的な経済改革に邁進している。

最近のインフレ率は経済回復の兆しとして好意的に受け止められているが、それでも国民の大多数は安心していない。

首都ブエノスアイレスに住む34歳のタクシー運転手はAP通信の取材に対し、「過去の物価高騰により、子供1人を養うのも本当に大変だ」と語った。

統計局によると、年間のインフレ率はやや鈍化したものの、それでも250%を超え、世界最高水準にある。

6月の上昇は補助金削減による電気とガス料金の値上げが反映されたものであった。

ミレイ政権とは対照的に、過去の左派政権は物価を固定化し、財政赤字を賄うために何千億ものペソを刷り、歴史的なインフレを引き起こした。

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