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▽政府の統計によると、24年末時点の貧困率は人口の38%まで改善したものの、高い水準で推移している。
アルゼンチンのミレイ大統領(Getty Images)

南米アルゼンチンのクエルバ(Jorge Garcia Cuerva)大司教は25日、ミレイ政権の貧困対策と年金受給者支援政策を批判した。

クエルバ氏は先月亡くなったローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)前教皇の後任として、首都ブエノスアイレスで大司教を務めている。

クエルバ氏はミレイ(Javier Milei)大統領も出席した式典で進行中の経済対策と貧困問題に言及。「アルゼンチンで友愛、寛容、尊敬が失われつつある」と語った。

またクエルバ氏は「多くの兄弟姉妹が疎外され、苦しんでいる」と述べ、ミレイ政権による厳しい経済政策を暗に批判。貧しい人々、麻薬密売の犠牲になっている若者、年金生活者への支援を呼びかけた。

さらに、ソーシャルメディア上で偽情報が拡散したり、根拠のない誹謗中傷が広がっているとして、憎しみの連鎖を止めるよう促した。

23年末に就任したミレイ氏は過去の左派政権が残した負債を一掃すると宣言。緊縮財政を推進し、手厚い補助金を軒並み削減、物価統制を廃止し、通貨切り下げを含む経済改革に着手した。

その結果、300%近くまで上昇したインフレ率は1桁台まで低下。16年ぶりに四半期ベースで財政黒字を達成するなど、多くの経済的成功を収めてきた。

しかし、補助金頼みの生活を送ってきた低所得者層はミレイ氏の激しいショック療法に耐え切れず、生活環境が悪化。貧困率は一時50%を超えた。

政府の統計によると、24年末時点の貧困率は人口の38%まで改善したものの、高い水準で推移している。

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