アルゼンチン25年6月インフレ率わずかに上昇見通し=ロイター調査

アルゼンチンのインフレ率低下は多くのアナリストを驚かせている。
アルゼンチン、首都ブエノスアイレスの市場(ロイター通信)

アルゼンチンの先月の消費者物価指数(CPI)がわずかに上昇するという見通しが高まっている。

ロイター通信は11日、アナリスト15人のデータを更新。25年6月のインフレ率の中央予想値は前年同月比1.9%増となり、5月の1.5%からわずかに上昇すると予想した。

5月のインフレ率は過去5年間で最も低くなり、ミレイ(Javier Milei)大統領の政策が機能していることを示した。

ロイターのアナリスト15人のインフレ予想は1.4~2.0%の範囲となった。

C&Tエコノミック・アドバイザーズの予想は2.0%。5月の1.5%を上回るとしたものの、「2020年以降で最も低い水準であることに変わりはない」と強調した。

ミレイ氏は過去の左派政権が残した負債を一掃すると誓い、緊縮財政を推進。手厚い補助金を軒並み削減、物価統制を廃止し、通貨切り下げを含む抜本的な経済改革に着手した。

その結果、300%近くまで上昇したインフレ率は1桁台まで低下。16年ぶりに四半期ベースで財政黒字を達成するなど、多くの経済的成功を収めてきた。

しかし、補助金頼みの生活を送ってきた低所得者層はミレイ氏の激しいショック療法に耐え切れず、生活環境が悪化。貧困率は50%を超えた。

アルゼンチンのインフレ率低下は多くのアナリストを驚かせている。

25年第1四半期(1~3月)の経済成長率(季節調整済み)は前年同期比5.8%増。2四半期連続でプラス成長となった。

中央銀行は今年度のGDP成長率をプラス5.2%と予測している。

SHARE:
この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします