▽25年4月のインフレ率は前年同月比2.8%増、市場の予想を下回った。3月は3.7%であった。
、チェーンソーを掲げるアルゼンチンのミレイ大統領(AP通信).jpg)
アルゼンチン政府の統計機関INDECが14日、先月の消費者物価指数(CPI)を公表した。
それによると、25年4月のインフレ率は前年同月比2.8%増、市場の予想を下回った。3月は3.7%であった。
24年5月~25年4月までの年間インフレ率は47.3%で、前月の55.9%から鈍化。ロイター通信は47.7%と予想していた。
INDECは声明で、「このデータはミレイ(Javier Milei)大統領の政策が効果的に機能していることを示している」と述べた。
23年末に就任したミレイ氏は過去の左派政権が残した負債を一掃すると宣言。緊縮財政を推進し、手厚い補助金を軒並み削減、物価統制を廃止し、通貨切り下げを含む経済改革に着手した。
その結果、300%近くまで上昇したインフレ率は1桁台まで低下。16年ぶりに四半期ベースで財政黒字を達成するなど、多くの経済的成功を収めてきた。
しかし、補助金頼みの生活を送ってきた低所得者層はミレイ氏の激しいショック療法に耐え切れず、生活環境が悪化。貧困率は50%を超えた。
中央銀行は5月も鈍化が続くと予測している。
レストランとホテル代が上昇を牽引した一方、住宅維持費と設備費は最低を記録。食料品とノンアルコール飲料は2.9%増で全体の水準を上回ったが、家賃と光熱費は下回った。
中銀は最近公表した調査で7月のインフレ率を2.0%、8月を1.8%と予想している。