◎ソーシャルメディアの巨人フェイスブックは世界規模の批判と懸念に直面している。
2021年10月5日/ワシントンD.C.議会議事堂で開催された上院小委員会公聴会、フェイスブックの元マネージャー フランシス・ホーゲン氏(アレックス・ブランドン/AP通信)

10月5日、フェイスブックの元マネージャーであるフランシス・ホーゲン氏は上院公聴会で、「フェイスブックのサイトとアプリは子供を傷つけ、分裂を引き起こし、民主主義を弱体化させる」と語った。

ホーゲン氏は消費者保護・製品安全・およびデータセキュリティに関する上院通商科学運輸小委員会の公聴会でフェイスブックを強く批判した。

ソーシャルメディアの巨人は世界規模の批判と懸念に直面している。

フェイスブックの創設者マーク・ザッカーバーグCEOは5日、スタッフに宛てたメッセージの中で、「主要メディアはフェイスブックを貶めようとしている」と反論した。

ザッカーバーグCEOは有害なコンテンツとの戦い、透明性の確保、様々な問題で業界をリードする研究プログラムの実施と努力を称賛した。「フェイスブックは安全、幸福、メンタルヘルスなどの問題に関心を持っています。報道は私たちの仕事と努力を正確に発信していません」

フェイスブックは世界で最も影響力のあるSNSであり、同社によると月間アクティブユーザーは約27億人にのぼるという。同社のインスタグラムとWhatsApp(メッセンジャーアプリ)も世界中で利用されている。

しかし、同社はユーザーのプライバシーを保護せず、ドナルド・トランプ前大統領の熱烈なメッセージを含む有害な偽情報を拡散したことなどで批判されてきた。

ホーゲン氏は3日に放送されたCBSニュースのインタビューの中で、「フェイスブックの内部文書をウォール・ストリート・ジャーナルと共有した」と語った。

WSJによると、内部文書にはインスタグラムが実施した調査結果などが記されていたという。インスタグラムは調査の中で、インスタアプリは少女のメンタルヘルスに害を及ぼす可能性があると報告していた。

上院公聴会の委員は、ホーゲン氏とWSJが共有したインスタグラムの調査に注目した。

民主党のリチャード・ブルーメンソール上院議員は、「フェイスブックがもたらしたメンタルへのダメージは、人々を悩ませ続けるだろう」と語った。「タバコ会社はかつて、自社製品が喫煙者や周囲の人々に有害な影響をもたらすという情報を隠していました。フェイスブックは今、真実を公にされ、厳しい現実に直面しています」

共和党のダン・サリバン上院議員は世界に尋ねたいと述べた。「これ(内部告発)は啓示です。私たちは(神に)何を考えているのですか?と尋ねられています。フェイスブックは子供に害をもたらすのです」

ホーゲン氏は上院議員らに、「フェイスブックはアプリを安全に運用することより天文学的な利益を優先しており、人々が求めるシステムの変更を拒否する」と述べた。

またホーゲン氏はザッカーバーグCEOの絶対的な支配権を批判し、「現在マークに立ち向かっているのは自分だけだ」と強調した。

ホーゲン氏は4日に発生したフェイスブック関連アプリの大規模な停止を称賛した。「昨日、インターネットからフェイスブックが消えました。その間、フェイスブックがもたらす分裂、民主主義の破壊、子供への健康被害も止まりました。私たちは世界中の女性と少女を不快にさせる投稿が止まったことを知っています」

ホーゲン氏はフェイスブックを監視するよう上院議員らに要請した。「私たちは今すぐ行動しなければなりません...」

公聴会後、フェイスブックは声明で、「ホーゲン氏が証言した多くの問題には同意できない」と述べたが、「インターネットの監視やルール作りを開始する時が来た」という発言には同意した。

民主党員と共和党員の意見は、この問題に関してはおおむね一致していた。

民主党のエイミー・クロブシャー上院議員は、「フェイスブックのアルゴリズムが1月6日の議会議事堂襲撃に関与した過激派の扇動を後押しした」と懸念を表明している。

共和党の保守的なテッド・クルーズ上院議員は、トランプ前大統領のアカウント凍結を検閲と非難した。

スポンサーリンク