米国25年3月貿易赤字、過去最大に、トランプ関税効果で輸入急増

▽月間の赤字額はこの1年間で2倍以上に急増。24年3月は686億ドルの赤字であった。
2025年4月2日/米ワシントンDCホワイトハウス、相互関税を説明するトランプ大統領(AP通信)

米国の貿易赤字がトランプ関税に先立ち、過去最高を更新した。

商務省が6日に公表した貿易統計によると、25年3月のモノとサービスを合わせた国際収支ベース(季節調整済み)貿易赤字は前月比14.0%増の1404億9800万ドル(約20兆円)となり、過去最高を更新した。

月間の赤字額はこの1年間で2倍以上に急増。24年3月は686億ドルの赤字であった。

輸出は前月比0.2%増の約2785億ドル。輸入は4.4%増の約4190億ドルに急増した。

トランプ政権の相互関税によるコストの増加を避けようと、多く企業が駆け込みで輸入を増やしたとみられ、赤字幅は178億ドル拡大した。

消費財が輸入を牽引し、2月から225億ドル増加。特に医薬品の輸入が顕著で、209億ドルも増加した。

中国との貿易戦争が激化する中、米国に輸入品が殺到した形だ。

トランプ(Donald Trump)大統領は「解放の日」と呼ぶ4月2日に壮大な相互関税を発表し、世界の株式市場を動揺させた。

その後、中国を除く国々に対する相互関税の発動は7月9日まで延期されたが、全世界共通の一律10%関税や自動車と部品、鉄鋼、アルミニウムに対する25%関税は発動済みだ。

貿易赤字のこれまでの最大は25年1月の1306億5200万ドルであった。

SHARE:
この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします