◎10人が米国内に保有する資産はすべて凍結され、米市民は10人と原則取り引きできなくなった。
メキシコ、シナロアカルテルの最高幹部である麻薬王「エル・チャポ」ことグスマン容疑者(Getty Images)

財務省は26日、メキシコの麻薬組織「シナロアカルテル(Sinaloa Cartel)」とつながりのある犯罪組織の幹部9人とコロンビア最大の麻薬密売組織「クラン・デル・ゴルフォ(Gulf Clan)」の首領を制裁リストに追加した。

これにより、10人が米国内に保有する資産はすべて凍結され、米市民は10人と原則取り引きできなくなった。

米当局はメキシコの麻薬王「エル・チャポ」ことグスマン(Joaquin Guzman)受刑者の息子たちが管理する犯罪組織を解体すべく、近隣諸国および関係機関と連携して捜査に当たっている。

メキシコ当局は今月初め、その息子の一人を米国に引き渡した。

息子たちが管理する組織は致死性のオピオイドであるフェンタニルとメタンフェタミンを含む合成ドラッグを製造・密売し、利益を上げている。

ブリンケン(Antony Blinken)米国務長官は声明で、「財務省の措置は違法薬物のサプライチェーンを破壊することで人命を救うという米政府全体のコミットメントに基づいている」と述べた。

今回制裁リストに追加されたシナロア系の9人は米国へのフェンタニル密輸や資金洗浄(マネーロンダリング)などに関与したとされる。

クラン・デル・ゴルフォの首領は昨年、前首領がコロンビアから米国に送還された後、組織を引き継いだとされる。

前首領はフロリダ州南部地区でコカイン密売、ニューヨーク州東部地区で複数の犯罪行為に関与したとして起訴されている。

フェンタニルは2ミリグラム服用しただけで死に至る可能性があり、その効果はモルヒネの100倍といわれている。米国では毎年数万人がフェンタニルの過剰摂取で死亡している。

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