◎大統領警護隊らで構成される反乱軍は7月末、首都ニアメの大統領府を占拠し、バズム大統領とその家族を拘束した。
ニジェールのバズム大統領(Getty Images)

米政府は10日、西アフリカ・ニジェールバズム(Mohamed Bazoum)大統領追放をクーデターと正式に宣言し、同国に対する軍事支援などを停止すると発表した。

国務省の高官は記者団に対し、「米国はニジェールの憲法秩序回復に向けあらゆる手段を尽くした」と語った。

それによると、米政府はニジェールへの対テロ作戦支援、軍事訓練、数億ドル相当の援助を停止したという。

大統領警護隊らで構成される反乱軍は7月末、首都ニアメの大統領府を占拠し、バズム氏とその家族を拘束。その後、チアニ(Abdourahmane Tchiani)将軍が国家元首に就任した。

欧米諸国と西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)はバズム氏の即時解放と憲法秩序の回復を軍政に求めてきた。ECOEASは軍政が応じない場合、軍事介入もあり得ると警告している。

米国の駐ニジェール大使はニアメの大使館にとどまり、軍政と連絡を取り合っている。

国務省の高官は援助を再開する条件について、「軍政が迅速かつ信頼できる方法で民主的な統治を回復し、バズム氏とその家族を解放すること」と述べた。

イスラム過激派の暴力に直面する西アフリカではこの数年、軍事クーデターが相次いでいる。

この地域の旧宗主国であるフランスはニジェール、マリ、ブルキナファソ、チャドなどと連携して対テロ作戦を主導してきた。

サハラ砂漠以南のサヘル地域には仏軍や米軍の兵士が数千人駐留している。

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