◎米政府は先週、複数の汚職に関与したとして、ジンバブエのムナンガグワ大統領とその妻、その他政府高官を制裁リストに追加した。
ジンバブエのムナンガグワ大統領(Tony Karumba/AFP通信/Getty Images)

米国務省は8日、ジンバブエ当局が米国際開発庁(USAID)の職員を拘束後、強制送還したと発表した。

国務省のミラー(Matthew Miller)報道官は「ジンバブエ当局が同国の開発と統治状況の評価を行っていたUSAID職員と請負業者を突然拘束し、強制送還した」と非難した。

米政府は先週、複数の汚職に関与したとして、ジンバブエのムナンガグワ(Emmerson Mnangagwa)大統領とその妻、その他政府高官を制裁リストに追加した。

ミラー氏によると、USAID職員の拘束は制裁が発表される前の先月に起きたという。

ムナンガグワ氏と与党ZANU-PF(ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線)は暴力的な土地開発プログラムを主導し、多くの白人農家を追放した。

USAIDは土地を持たない何千人ものジンバブエ人を支援してきたが、ムナンガグワ氏はこれを内政干渉と頻繁に非難してきた。

ミラー氏は声明の中で、「USAID職員は攻撃的な扱い、長時間の尋問と脅迫、拘留と監禁を受け、国外に退去するよう一方的に命じられた」と明らかにした。

USAIDのパワー(Samantha Power)長官も別の声明で、「ジンバブエ当局が職員と一部の請負業者の個人用電子機器を恣意的に押収した」と非難した。

ジンバブエ政府はこの問題に関するコメントを出していない。

ムナンガグワ氏は貧困対策、インフレ抑制、慢性的な停電の解消などに取り組もうとしているが、政策はうまく機能せず、国民の不満は高まるばかりだ。

ジンバブエ・ドルの価値は2008年の歴史的なハイパーインフレでその信頼を失って以来、低迷している。当時のインフレ率は世界記録とされる50億%に達し、中央政府が発行した100兆ジンバブエ・ドル紙幣は伝説になった。

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