◎国内の保守的な州は中絶を禁止する取り組みを進めている。
2022年5月3日/ワシントンD.C.最高裁前、中絶の非合法化に反対する人々(Jose Luis Magana/AP通信)

最高裁判所は3日、妊娠中絶を非合法化すると示唆する文書が漏洩したことについて、リーク文書は本物であると認めた。

ジョン・ロバーツ連邦最高裁判所長は3日の声明で、ポリティコ社が最初に報じた草案の流出を「重大な違反」と非難し、最高裁執行官に調査を開始するよう要請したと明らかにした。

ロバーツ判事は草案を本物と認めたうえで、最高裁はまだ何も決定を下していないと強調した。「司法は外部の影響を一切受けません...」

流出した文書(第1草案と書かれている)は、保守派の意見を反映しているように見える。

アリト判事が起草したこの文書には、「1973年のロー対ウェイド裁判の判決はひどく間違っている」と書かれている。

※ロー対ウェイド事件(1973年):最高裁判所は妊娠中絶を「合衆国憲法で保障される権利」と認め、堕胎禁止を初めて違憲と認めた。

ロー対ウェイドの判決を覆そうとする裁判は保守的なミシシッピ州が起こした。判決は6月下旬から7月上旬と予想されている。

国内の保守的な州は中絶を禁止する取り組みを進めている。

このリークは中絶禁止を違憲と認めた1973年の判決が覆され、保守的な州が中絶の取り締まりを加速させるかもしれないという不安を掻き立てた。

ジョー・バイデン大統領はリーク文書に明記されている通りになれば、他の権利にも問題が生じる可能性があると主張している。

草案は瞬く間に全米に広がり、保守派は賛成、リベラル派は反対を表明した。

全米最大の生殖医療サービス提供者であるプランド・ペアレントフッド(PPFA)は3日、「安全で合法的な中絶にアクセスする権利を保護するために、死に物狂いで戦い続ける」と誓った。

PPFAの調査によると、ロー対ウェイド裁判の判決が覆されると、3600万人の女性が安全な中絶にアクセスできなくなる可能性があるという。

13の州はロー対ウェイドが覆された時点で中絶を禁止するトリガー法を施行している。他の州も同様の措置を準備している。

バイデン大統領は(1973年の)最高裁の決定を覆せば、影響は広範囲に及ぶと警告した。

またバイデン大統領は、中絶の権利を保障する法律を望んでいると付け加えた。「法制化すれば、以前の判決にかかわらず、中絶を選ぶ権利が保障されます」

カリフォルニア州、ニューメキシコ州、ミシガン州を含むいくつかの州の民主党知事は、最高裁がロー対ウェイドを覆したとしても、中絶の権利を州法に明記すると表明した。

ミシガン州のウィットマー州知事は、「合法的な中絶にアクセスできる権利を保障するために、必死に戦う」と誓った。

流出した文書には、「合衆国憲法は保障すべき権利を明記しているが、中絶を含むその他は明記されていない」と書かれている。

一部の専門家は、「同性婚、対外受精、避妊などについても同様の議論に発展する可能性がある」と指摘している。

2022年5月3日/ワシントンD.C.最高裁前、中絶の非合法化に反対する人々(Jose Luis Magana/AP通信)
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