◎ジョー・バイデン大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領は6月16日にジュネーブで会談することに合意した。
2011年3月10日/ロシア、首都モスクワ、ジョー・バイデン副大統領(当時)とウラジーミル・プーチン大統領(RIA/Novosti/Alexei Druzhinin/Pool/AP通信)

米主要メディアによると、ジョー・バイデン大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領は6月16日にジュネーブで会談することに合意したという。

ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は25日の声明で、会議の前提条件は設定されていないと述べた。

両首脳はウクライナ問題、ロシアの同盟国であるベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領が引き起こしたハイジャック問題、サイバー攻撃問題、コロナウイルスとワクチンに関する問題、ロシアの野党指導者アレクセイ・ナワルニー氏に関する問題などについて協議すると期待されている。

ホワイトハウスは会談の成果を低く見積もっていると信じられている。オバマ政権は米ロ関係をリセットし、ドナルド・トランプ前大統領はロシアとつかず離れずの微妙な関係を維持し、バイデン大統領はプーチン大統領を「殺人者」と呼び物議を醸した。現地メディアは、「大きな突破口は期待できない」と報じている。

クレムリンのスポークスマンは声明で、「プーチン大統領はロシアとアメリカの現状と展望、戦略的安定性の問題、コロナウイルスのパンデミックへの対処や地域紛争の解決を含む国際的な問題について話し合う」と述べた。

2011年3月10日/ロシア、首都モスクワ、ジョー・バイデン副大統領(当時)とウラジーミル・プーチン大統領(AP通信/Alexander Zemlianichenko)

バイデン大統領はロシアに対する新たな制裁を準備していた4月にプーチン大統領との電話会談で対面サミットを提案した。アメリカは先週、ノルドストリーム2(欧州とロシアを結ぶ天然ガスパイプライン)の建設作業に関わる企業に制裁を科した。

ホワイトハウスはロシアとの安定した予想可能な関係の構築を模索していると繰り返し述べているが、ロシアはアメリカの選挙に干渉し、ハッカー攻撃でインフラ設備に大きな打撃を与えるなど、様々な嫌がらせを行ってきた。

バイデン政権はウクライナ問題、ナワルニー問題、その他様々な問題でプーチン大統領を非難し、ロシアのエージェントがアフガニスタンの駐留米軍を攻撃するためにタリバンに報奨金を支払っているという噂を公に認めた。

共和党の反トランプ派、ベン・サス上院議員はバイデン大統領の決定を「弱い」と批判したうえで、ナワルニー氏の問題と、ベラルーシのルカシェンコ大統領がギリシャ発リトアニア行きの便を強制着陸させた問題へのアメリカの対応に懸念を示した。

サス上院議員は、「バイデン大統領はノルドストリーム2の制裁から同盟国ドイツを除外した」と批判した。「アメリカはサミットでプーチンの労をねぎらうのですか?プーチンは自国民を奴隷のように扱うギャングです。アメリカはサミットでノルドストリーム2の建設を許し、プーチンの行動を正当化します」

ホワイトハウスのサキ報道官はサス上院議員の批判について、「サミットは懸念を伝え、協力する機会を探るために行うもの」と反論した。

ドイツのアンゲラ・メルケル首相も米ロ首脳会談を歓迎し、「外交は話し合いで構築しなければならない」と述べた。

バイデン大統領は大統領就任から数週間後、「ロシアの攻撃的な行動に苦しめられる時代は終わった」と述べ、3月に放送されたABCニュースのインタビューの中で「プーチン大統領を殺人者だと思うか?」という質問に対し、肯定的に答えた。

2021年5月20日/ロシア、首都モスクワの郊外にあるノボオガリョボ邸、ウラジーミル・プーチン大統領(Sergei Ilyin/Sputnik/Kremlin/Poo/AP通信)
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