◎現地メディアによると、トラに関連する被害の報告は現時点では確認されていないという。
2021年5月9日/テキサス州ヒューストンの近所を歩き回っていたベンガルトラと非番の警察官(マリア・トーレス/ABCニュース)

主要メディアによると、テキサス州ヒューストンの警察当局は行方不明になっていたベンガルトラを無事捕獲したという。

ヒューストン市のメアリー・ベントン氏は声明で、「べンガルトラは市の動物保護施設兼養子縁組機関に移送されました」と述べた。「トラの体調は良好です」

ヒューストン市長室によると、トラは5月16日にクリーブランドアモリー野生生物保護区に移送される予定で、移送前に必要な検査を受けるという。

ビクター・ヒューゴ・クエバス被告は、獰猛な肉食獣を野に解き放った罪で逮捕され、5月14日に拘留された。クエバス被告は2017年に発生した殺人事件で逮捕され、2020年11月に保釈金25万ドル(約2,600万円)を支払い保釈されていた。

ヒューストン警察は、「行方不明になっていたベンガルトラは無事捕獲された」とツイートした。

現地メディアによると、トラに関連する被害の報告は現時点では確認されていないという。

トラの専門家によると、ベンガルトラはネコ科の肉食獣で、成体の体長は3m以上(頭から尻尾の長さ)、体重は300kg以上、犬歯の長さは10cm近くに達することもあるという。鳴き声は主に「ガオー」で、自分より弱い生き物を襲うと考えられている。

クエバス被告は5月9日午後にウェストヒューストンの自宅周辺でベンガルトラを放し飼いにし、周辺住民を困惑させた。その後、被告はトラと一緒にジープで逃走し逮捕されたと伝えられているが、逮捕時の状況とトラが行方不明になった経緯は明らかにされていない。

ヒューストン警察のロン・ボルザ氏は15日深夜の記者会見で、「調査の結果、ベンガルトラの飼い主はクエバス被告であることが特定された」と述べた。クエバス被告の弁護士は先日、「トラの飼い主はクエバス氏ではない」と主張していた。

ボルザ氏によると、ヒューストン市でベンガルトラを飼うことはできないという。ベンガルトラは絶滅危惧種に指定されており、動物園や保護区で飼育する場合は特別な許可を得なければならない。

ボルザ氏は記者団に対し、「自宅でトラを飼うべきではない」と述べた。「ベンガルトラはネコ科ですが、普通の猫とは異なり、人間を引き裂く強靭な爪と歯を持っています。住宅街のど真ん中でトラを飼うべきではありません」

クエバス被告の弁護士、マイケル・エリオット氏は先日、「ベンガルトラの飼い主はクエバス氏ではなく、必要な情報は警察に提供した」と述べたが、ボルザ氏はこの主張を却下した。「トラは間違いなくビクター家のものです。調査の結果、被告と妻は9カ月間自宅でトラを飼っていたことが分かりました」

ヒューストン警察によると、ベンガルトラの入手経路などについては判明次第公表する予定だという。

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