◎湾沿いの地域の最大風速は25~30m/sと予想されている。
2022年1月29日/ロードアイランド州プロビデンスの市道(David Goldman/AP通信)

1月29日、米国の東海岸に爆弾低気圧が接近し、地域に4年ぶりの大雪をもたらした。

29日時点で5つの州が非常事態を宣言し、住民に外出を控えるよう強く呼びかけている。

予報官と専門家は「複数の地域で歴史的な降雪が予想されている」と警告し、湾沿いの一部地域には洪水警報が発令された。ABCニュースによると、東部地域の空港の欠航便数は5,000便を超えたという。

冬の嵐はマサチューセッツ州ボストンを直撃し、電力会社によると、11万世帯以上が停電したという。

ボストンの一部地域の24時間降雪量は60cmを超え、ニューヨークの一部でも最大30cmに達したと伝えられている。予報官によると、東部地域の24時間降雪量の記録は2003年に観測した70cmだという。

湾沿いの地域の最大風速は25~30m/sと予想されている。

ボストン国立気象局は29日、「外出しないでください」と市民に呼びかけ、どうしても外出しなければならない場合は「サバイバルキット」を装備するよう促した。「外出する際はダウンジャケット、毛布、水、薬、スコップなど、冬の嵐に対応できるサバイバルキットを装備してください...」

ボストンの地元メディアは車が立ち往生した際の注意事項を繰り返し発信している。「立ち往生しても冒険しないで!車の近くにとどまり、助けを求めなさい」

2022年1月29日/マサチューセッツ州ボストンの国立公園(Getty Images/AFP通信)

マサチューセッツ州の気象学者であるブライス・ウィリアムズ氏はニューヨーク・タイムズ紙の取材に対し、「嵐は30日の午前にはピークを超えると予想されているが、少なくとも30日中は自宅にとどまれと皆に言いたい」と語った。

ボストン国立気象局によると、爆弾低気圧の風速はハリケーンレベルに達する可能性があるという。

ニューヨーク州、ニュージャージー州、メリーランド州、ロードアイランド州、バージニア州の知事は非常事態を宣言し、住民に不要不急の外出を控えるよう求めた。

NY市のエリック・アダムズ市長は29日に予定していたコロナワクチン接種をキャンセルしたと明かし、「市当局はフルスピードで除雪作業にあたっている」と述べた。

NYのキャシー・ホークル州知事は、「冬の嵐は命を脅かす可能性がある」と警告したうえで、ビールと共に嵐をやり過ごすよう市民に提案した。

ニュージャージー州の警察は市民に「冒険するな」と警告し、フィル・マーフィー州知事はロング・ビーチ・アイランドやケープ・メイなどの有名な海岸に近づかないよう懇願した。「間違ってもサーフィンをしようなどとは思わないでください...」

コネチカット州は30日までバスの運行を停止した。ロードアイランド州は暴風が予想されるとして、一部の橋を閉鎖している。

南東端に位置する温暖なフロリダ州でも嵐が予想されており、共和党のロン・デサンティス州知事は関係機関を通じて農家に作物被害に注意するよう呼びかけた。

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