マスク氏は今年4月、ツイッター社を440億ドルで買収すると発表した。
2019年12月/テスラ社のイーロン・マスクCEO(Getty Images/AFP通信)

テスラ社のマスク(Elon Musk)CEOは4日、ツイッター社の買収について再び考えを改め、買収手続きを進めると表明した。

報道によると、マスク氏の弁護士はツイッター社に宛てた書簡の中で、「数カ月前に提示した価格で買収することに同意した」という。

マスク氏は今年4月、同社を440億ドルで買収すると発表した。

しかし、マスク氏は7月、ツイッター社がbotやスパムアカウントの情報を開示せずに、「botやスパム数は全ユーザーの5%未満」と報告したことに腹を立てた。

マスク氏は5月時点で買収に興味が亡くなったと主張していたが、ツイッター社は取引から手を引くことはできないと反論している。同社はボット数を5%未満と説明しているものの、マスク氏はその数倍にのぼる可能性があると指摘した。

両陣営は今月、デラウェア州の裁判所で対決する予定だったが、この驚くべき逆転劇で裁判は回避される可能性がある。専門家はマスク氏の主張が認められる可能性は低いと予想していた。

マスク氏の弁護士は書簡の中で、「法廷闘争の終結を待って、取引を完了するために前進するつもりである」と述べている。

ツイッターの広報担当は声明で書簡を受け取ったを認め、「わが社の目的は1株あたり54.20ドル(440億ドル)で取引を完了することです」と強調した。

ツイッター社の株価はマスク氏の方針転換で20%以上急騰し、4日の終値で52ドルに達した。しかし、買収価格より低いことに変わりはなく、一部の投資家は事件の行方を慎重に見守っている。

マスク氏は4日のツイートで、買収を強く示唆した。

ツイッター社の幹部は先月の株主総会でマスク氏の買収に合意し、「法廷で440億ドルを支払うよう迫る」と誓っていた。

この一騎打ちはマスク氏にプレッシャーをかけ、テスラ株の急落を招いた。

公判日は10月17日に設定されている。デラウェア州の裁判所は買収に関するやり取りだけでなく、1億人以上のフォロワーを持つマスク氏とツイッター幹部の激しい口論ツイートにも対応する予定だ。

一部メディアによると、マスク氏は10億ドルの破断金(慰謝料)を支払えればこの案件を回避できたが、提案を却下し、今週、裁判の事前審理に臨む予定だった。

一部メディアはツイッターが訴えを取り下げる可能性があると報じているものの、事実か否かは不明。マスク氏が440億ドルの買収に素直に応じれば、あり得るかもしれない。

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