◎公式に成りすましたアカウントの怪しげなツイートが多数報告されている。
テスラ社のイーロン・マスクCEO(Getty Images/AFP通信/PAメディア)

ツイッター社は11日、認証バッジ(青いチェックマーク)を取得した怪しげなアカウントが急増したことを受け、7.99ドルでこれを取得できる有料サービスを一時停止した。

憧れの認証バッジは政治家、有名タレント、企業やメディアなどが本物であることを証明するために導入された。

マスク(Elon Musk)CEOは8ドル払えば誰でもバッジを取得できるサービスを今週スタートさせた。

マスク氏の買収と人員整理が始まって以来、同社は混乱状態に陥っている。

マスク氏は世界の従業員の約半数を解雇し、役員や上級管理職を追い払い、ツイッター革命を起こすと公言している。しかし、連邦取引委員会(FTC)は10日、マスク氏を綿密に監視していると表明し、ツイッター社は倒産するのではないかという憶測を煽った。

複数のユーザーが11日、「認証バッジがふわっと消えた」「私の認証バッジを返して」「せっかく公式ユーザーになったのに...」などと投稿した。

ロイター通信はツイッター社の関係者の話を引用し、「このサービスは取りやめになった」と報じている。

著名ユーザーの認証バッジは維持されている。

バッジの販売が始まって以来、テスラ社、スペースX、ロブロックス、ネスレ、イーライリリー、ロッキードマーチンなど、ビッグブランドを装った偽アカウントが認証バッジと共に出現した。

ツイッターのサポートアカウントは11日、「なりすましに対処するため、一部のアカウントに公式ラベルを付与した」とツイートした。

しかし、このラベルは9日に導入されたものの、わずか数時間後にマスク氏によって「抹殺」された。

製薬会社イーライリリーは11日、偽アカウントが「インスリンが無料になる」とツイートした後、謝罪声明を発表した。

「わが社の偽アカウントが発信した誤解を招くようなメッセージを受け取った人々に謝罪します」

報道によると、公式に成りすましたアカウントの怪しげなツイートが多数報告されているという。テスラ社に成りすましたユーザーも誤解を招くツイートを投稿したようだ。

ツイッター社は偽情報とヘイトクライムの拡散を防ぐために長年奮闘してきたが、言論の自由を重んじるマスク氏の取り組みにより、「本物と偽物」を見極めることがより難しくなった。

マスク氏は「パロディ」と宣言せずに著名人になりすましたアカウントを警告なしに永久凍結すると警告している。任天堂やスーパーメジャーのBPなどになりすましたアカウントがすでに凍結されている。

報道によると、マスク氏は全従業員に宛てたメールの中で、「広告収入の減収を補うことができなければ、倒産もあり得ない話ではない」と警告したという。

ツイッター社は収入の9割を広告スポンサーから得ているが、一部の大手広告主は、マスク氏の動きに懸念を示し、広告を停止している。

ゼネラルモーターズ、フォルクスワーゲン、アウディ、医薬品大手ファイザー、チェリオス、ゼネラルミルズなど、多くのブランドが広告費の支払いを停止した。

大手企業は偽情報やヘイトクライムと自社の広告が並んで表示されることを恐れている。

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