◎一部のメディアは現在、令状取得に必要な「宣誓供述書」の開示をフロリダ州裁判所に請求している。
2022年8月10日/ニューヨークのトランプタワー前、トランプ前大統領(Jon Elswick/AP通信)

米司法省は15日、トランプ(Donald Trump)前大統領の豪邸「マー・ア・ラゴ」の家宅捜索の令状について、詳細を公開するとFBI(連邦捜査局)の捜査に取り返しのつかない損害を与える可能性があると警告した。

一部のメディアは現在、令状取得に必要な「宣誓供述書」の開示をフロリダ州裁判所に請求している。

FBIは先週、トランプ氏が最重要機密を含む機密文書を不正に取り扱った可能性があるとして、自宅を捜索した。

米国の大統領経験者が家宅捜索を受けたのは初めて。

先週12日に公開された令状によると、FBIはマー・ア・ラゴから11組の機密文書を押収した。

司法省は15日、フロリダ州の裁判所に書簡を提出し、一部のメディアが宣誓供述書の開示を求めていることについて、「そのような措置は進行中の犯罪捜査に重大かつ取り返しのつかない損害を与えるだろう」と警告した。

また司法省は、「進行中の捜査のロードマップを詳述している宣誓供述書が開示されれば、今後の捜査に影響を与える可能性が非常に高い」とした。

司法省はこの問題のために作成した宣誓供述書を「高度に機密化された資料」と表現し、開示すべきでないとした。

一方、トランプ氏は15日、自身のSNSプラットフォーム「Truth Social」に声明を投稿。「FBIが家宅捜索の際にパスポート3冊を持ち去った」と明らかにした。FBIは逃亡の恐れがあると判断した場合のみ、パスポートを押収する。

トランプ氏はこれを「政敵に対する攻撃」と非難した。「これは、かつてないレベルの政敵に対する襲撃です。第三世界だ!」

FBIの家宅捜索はトランプ氏の盟友たちから反発を招き、宣誓供述書の公開を要求する声が高まっている。

共和党のラウンズ(Mike Rounds)上院議員は14日、NBCニュースのインタビューで、「司法省はこれが単なる漁夫の利ではないこと、これを行う正当な理由があること、他の手段を尽くしたことを示すべきだ」と語った。

オハイオ州選出の共和党員ジョーダン(Jim Jordan)下院議員はフォックスニュースのインタビューで、「FBI捜査官14人が司法省の政治的関与について内部告発するために名乗り出た」と主張した。

令状は検察官が犯罪が行われたと信じる相当な理由があることを証明し、裁判官の署名を得て発効する。

トランプ氏の家宅捜索に使われた令状は12日に公開された。これは犯罪捜査中としては極めて異例な措置である。ガーランド(Merrick Garland)司法長官は「公共の利益のため」と説明した。

一方、司法省は宣誓供述書を開示すべきでないもう一つの理由として、FBIに対する脅迫を挙げた。

「宣誓供述書に含まれる目撃者の情報は、この問題の注目度の高さと、目撃者の身元が明らかになることで捜査に協力する意思に影響を与える危険性があることから、特に慎重を期す必要がある」と司法省は書簡の中で説明している。

FBIと国土安全保障省は12日、連邦政府関係者に対するソーシャルメディアへの暴力的な脅迫が増加していると全国の法執行機関に通知した。

2019年3月11日/ワシントンD.C.にあるトランプ・インターナショナルホテルの北入り口(Mark Tenally/AP通信)
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