◎ロシアはトランプ氏の要請を受け選挙戦に関与したと信じられているが、トランプ陣営はこれを強く否定している。
2016年10月9日/ミズーリ州セントルイスで開催された大統領選討論会、ヒラリー・クリントン氏とドナルド・トランプ氏(Getty Images/AFP通信)

ドナルド・トランプ前大統領は24日、2016年の米大統領選選挙でヒラリー・クリントン氏ら複数の民主党員が、自身の陣営をロシアと結びつけ選挙を不正に操作しようとしたとして訴えた。

ロシアはトランプ氏の要請を受け選挙戦に関与したと信じられているが、トランプ陣営はこれを強く否定している。

トランプ氏は在職中、ロシア疑惑を含む複数の問題で民主党を非難し、2020年の選挙で民主党のジョー・バイデン大統領に敗れたのも不正が蔓延した結果と主張し続けている。

トランプ陣営はフロリダ州の連邦裁判所に提出した訴状の中で、「被告らは共和党の対立候補であるドナルド・J・トランプが敵対する国と結託しているという虚偽のシナリオを織りなすために悪意を持って共謀した」と述べている。

また陣営は、「ゆすり」と「有害な虚偽を行うための共謀」などでクリントン氏らを非難した。

ロイター通信によると、クリントン氏の代理人は取材に応じなかったという。

トランプ氏は補償と懲罰を求めている。陣営によると、トランプ氏はロシア疑惑で2,400万ドル(約24億円)を超える費用を負担させられたという。

陣営が訴えた相手の中には元英国情報機関員(MI6)のクリストファー・スティール氏も含まれている。

スティール氏は2016年の選挙前にFBIやメディア各社が公表した文書の中で、「ロシアはトランプ氏と共和党陣営に関する恥ずかしい情報を持っており...ロシアはクリントン氏を倒すために裏で動いている」と報告した。恥ずかしい情報の詳細は明らかにされていない。

共和党率いる米上院委員会は2020年、ロシアが共和党のロビイストであるポール・マナフォート氏とウィキリークスを利用して、2016年の選挙でトランプ氏を勝たせようとしたと結論付けた。

マナフォート氏は2016年にトランプ氏の大統領選キャンペーンに携わった。

ロシアは一連の疑惑を否定しているが、米国内ではFBIのロバート・ミュラー特別検察官の2年にわたる捜査で火がついた。

ミュラー氏はロシア政府とトランプ陣営の多数のつながりを詳細に記した報告書を公表したが、トランプ氏や関係者を刑事告発することはできなかった。

ミュラー氏は報告書の中で、「ロシア政府はトランプ大統領の誕生によって利益を得られると認識し、クリントン氏を打倒するために働き、選挙運動を妨害した...」などと述べている。

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