◎下院の特別委員会はこの公聴会でトランプ氏の責任を追求するとしている。
左からジュニア氏、トランプ前大統領、イヴァンカ氏(Getty Images/AFP通信/PAメディア)

米国のトランプ(Donald Trump)前大統領は10日、下院の特別委員会が主催するDC議会暴動の公聴会で公開された娘の証言を否定し、公聴会を「魔女狩り」と非難した。

イヴァンカ(Ivanka Trump)氏は9日に初公開された映像の中で、父親の陰謀説を否定したバー(William Barr)前司法長官の証言を受け入れた。

トランプ氏は自身のソーシャルメディアプラットフォーム「Truth Social」に声明を投稿し、イヴァンカ氏は選挙結果を見ておらず、証言は無効と主張した。

特別委員会はこの公聴会でトランプ氏の責任を追求するとしている。

9日の公聴会は生中継され、米メディアによると、約2000万人が視聴したという。

バー氏の証言も今回初めて公開され、同氏は「選挙が盗まれたというトランプ氏の主張には根拠がない」と証言した。

また同氏は「選挙に不正があったという具体的な証拠に基づかない見解に基づいて、現職政権が権力を維持するような世界には住めない」と述べている。

さらに、イヴァンカ氏は別のインタビューでバー氏の発言について問われると、「私はバー司法長官を尊敬しており、彼の言うことを受け入れました」と答えた。

トランプ氏は10日、公聴会を「魔女狩り」と非難し、「娘は選挙結果を見たり、調査に関与したことは一切ない」と指摘した。「私の見立てでは、彼女はバーの司法長官としての地位に敬意を払っただけです。彼は最低だ!」

トランプ氏はバー氏を「臆病者」と呼び、2020年の大統領選は不正操作されたと改めて主張した。

2020年11月の大統領選以降、一部の共和党支持者が誤った主張を拡散したとして起訴されている。今のところ、バイデン(Joe Biden)大統領の勝利を揺るがすような証拠は見つかっていない。

下院の特別委員会は今後2週間でさらに5回公聴会を開催する予定。

13日のセッションはトランプ氏の側近に焦点を当てる。同委員会は1年にわたる調査で約1000回インタビューを行い、文書を約14万件回収・精査した。

2021年1月6日/ワシントンD.C.議会議事堂内(Getty Images/AFP通信)
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