◎ジョー・バイデン大統領は仮想G7サミット後の記者会見で、テキサス州を襲った大寒波に伴う電力と水危機を大規模災害に指定する予定であり、市民により多くの支援を提供すると誓約した。
2021年2月19日 AP通信/テキサス州サンアントニオ、飲料水を運ぶボランティア

2月19日、ジョー・バイデン大統領は記者団に対し、テキサス州を襲った大寒波に伴う電力と水危機を大規模災害に指定する予定であり、市民により多くの支援を提供すると誓約した。

報道によると、停電はほぼ解消したが、同州の人口の約半分、1,400万人以上がきれいな水にアクセスできない状態が続いているという。

バイデン大統領は仮想G7サミット後の記者会見で、最前線で戦う労働者の支障にならなければ、テキサス州を訪問すると述べた。

緊急事態を宣言した州は緊急事態管理庁(FEMA)から資金や物資などの支援を受けることができる。さらに大規模災害を宣言した州はFEMAだけでなく、保健福祉省や国防総省を含む連邦機関からも支援を受けることになる。バイデン大統領はテキサス州の非常事態宣言要請を18日に承認している。

同州の水道は凍結による水道管の破裂と停電によるシステムの停止で衛生状態が悪化している可能性が高く、2月19日時点で約700万人が蛇口から出てきた水を「飲む場合」は沸騰させることを命じられた。

ABCニュースによると、テイラー郡アビリーンの医療施設に入院していた男性患者が断水の影響で死亡したという。

週末の大寒波に関連する全国の死者は2月19日時点で70人近くに達し、当局はさらに増加する可能性があると警告した。

ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は声明で、「バイデン大統領はチームにテキサス州の大規模災害宣言の承認を早めるよう指示した」と述べた。

ジェン・サキ報道官(声明):
「バイデン大統領はヒューストン、オースティン、ダラスなどのテキサスの主要都市の市長と連絡を取り、連邦政府の支援を確実に提供すると伝えた」

テキサス州以外の州も大寒波に見舞われ、断水を報告している。

ミシシッピ州ジャクソン市(人口約15万人)とテネシー州メンフィス市(人口約65万人以上)の市民は、水を失った状態で数日生活している。当局者によると復旧の見通しは立っていないという。

南部の市民はマイナス10℃以下の低温に慣れておらず、自宅の壁や床下に埋め込まれた水道管が突然破裂し、困惑した。

2021年2月19日 AP通信/ワシントンD.C.ホワイトハウス、ジョー・バイデン大統領

テキサス州の発電所は大寒波の影響で電力需要が急増し、パンクした。

当局者によると、2月19日の時点で同州の約18万世帯と企業の多くが停電したままだという。

大寒波は電力網だけでなく水道システムも破壊した。報道によると1,300以上の公共水道システムが被害を受け、復旧の見通しは全く立っていないという。

州都オースティンの水道局長は18日の記者会見で、「各地で水道管が破裂し、約12億リットルの水道水を失った」と述べた。

テキサス州のグレッグ・アボット州知事は19日の会見で、「州政府が提供できるありとあらゆる支援を速やかに提供している」と語った。

州の水道当局は復旧のタイムラインを提供できずにいる。

地元の水道事業者や関係者は総動員で復旧作業にあたっているが、広大なエリアの水道管やシステムを全てチェックするにはかなりの時間がかかると思われる。

グレッグ・アボット州知事:
各地の配管工がテキサス州に向かっています。彼らは地元の事業者と協力し、復旧作業にあたるでしょう」

「現時点で州外の配管工、320人以上の支援を確保し、州当局は州外の配管会社からの支援も確保しました」

一方、テキサス州の電力を管理する電気信頼性評議会(ERCOT)のビル・マグネスCEOは、まもなく州内の電力供給を回復できると述べた。

アボット州知事はERCOTの調査をDC議会に依頼しており、下院は調査に向けた委員会を設立すると先日発表した。ERCOTの関係者は、記録的な大寒波の影響で暖房需要が急増し、発電所の(設備の)壊滅を防ぐためには停電させる以外手はなかったと主張している。

連邦緊急事態管理庁(FEMA)のボブ・フェントン氏はCBSニュースのインタビューの中で、テキサス州に燃料、水、毛布、その他の物資を提供していると述べた。

ボブ・フェントン氏:
「私たちが最も心配してことは、人々が寒さで体調を崩すことです。避難所や車内で待機している人は特に注意が必要です」

テキサス環境品質委員会のティファニー・ヤング氏は声明で、「19日午後の時点で159の郡の1,300以上の公共水道システムが被害を受け、1,400万人以上が水危機に直面している」と報告した。

AP通信によると、テキサス州の州都オースティンに19日に運び込まれた水は380万リットル以上だったという。しかし、オースティンのグレッグ・マサロス水道局長は、「水道システムの負荷は改善されておらず、水の供給が回復した家庭も使用は最小限に抑えてほしい」と呼びかけた。

ダラスの配管会社に勤めるデイビッド・ロペス氏はAP通信の取材に対し、「数日で600件以上の修理依頼を受け、混乱状態に陥った」と述べた。

2021年2月19日 AP通信/テキサス州サンアントニオ
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