◎共和党の支配下に置かれている赤い州は、バイデン政権が準備を進めている100人以上の労働者を雇用する企業に対する新たな規則に激しく反発している。
2021年9月22日/テキサス州マッカレンの市庁舎、グレッグ・アボット州知事(Getty Images/AFP通信/PAメディア)

10月11日、テキサス州のグレッグ・アボット州知事は、州内で活動する民間企業や団体にコロナワクチン接種の義務化を禁じる州知事命令に署名し、州議会に同様の禁止を法制化するよう求めた。

共和党の支配下に置かれている赤い州は、バイデン政権が準備を進めている100人以上の労働者を雇用する企業に対する新たな規則に激しく反発している。

ジョー・バイデン大統領は100人以上の企業に対し、従業員のワクチン接種もしくは週1回の陰性チェックを義務付ける規則を発効する予定である。

テキサス州を拠点とするアメリカン航空やサウスウエスト航空を含む主要企業は、連邦政府の命令に従うと述べており、一部の保守的な労働者の反発を買っている。

アボット州知事は命令の中で、「テキサス州で活動する全ての企業および団体は、いかなる理由があろうと個人にワクチン接種を強制してはならない」と述べた。

コロナワクチン接種後にマスクを脱ぎ捨てコロナに感染したアボット州知事は、「接種の資格を持つ人にはワクチンを強く推奨するが、テキサス人は常に自発的でなければならず、強制は許されない」と述べた。

モンタナ州は民間企業や団体で働く労働者に対するワクチン接種義務化を禁止する州法を先日可決した。州当局者は声明の中で、「他の州も同様の州法を速やかに施行しなければならない」と述べた。「合衆国憲法は選択の自由を保障しています。ワクチンの義務化は完全な憲法違反でり、バイデンは今すぐ裁きを受けるべきです」

アボット州知事はすでに州政府機関のワクチン義務化を禁止しているが、民間企業に対しては独自の規則を作成するよう促すだけで禁止には言及していなかった。米主要メディアは、恐らく数日中に権利団体が異議申し立てを行うと報じた。

アボット州知事の反抗的な命令や規則は連邦政府に対する挑戦だけでなく、支持率を強く意識している。アボット州知事は来年の州知事選で3期目を目指しているが、元州上院議員のドン・ハフィンズ氏(共和党)と現職のフロリダ州議員であるアレン・ウェスト氏(共和党)の圧力に直面しており、予備選挙を勝ち上がれるかどうかは微妙な情勢と伝えられている。

強硬派のハフィンズ氏とウェスト氏はアボット政権の政策を批判し、より強力なワクチンおよびマスク禁止令を出すと誓っている。

ハフィンズ氏はツイッターに、「テキサス州の偉大な有権者たちはアボットの無策政策にウンザリしています」と投稿した。

ウェスト氏は先日、コロナ検査で陽性と診断され入院したと明らかにしたが、ワクチンの義務化に反対すると約束した。

疾病予防管理センター(CDC)のまとめによると、テキサス州の新規陽性者と入院患者は減少傾向にあるという。10月10日の新規陽性は約1,000件、死亡者は105人。累計感染者は約413万件、累計死亡者は今月中に70,000人を超えると予想されている。

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