◎従業員たちは賃上げ、労働環境の改善、都市部の忙しい店舗の人員増などを求めている。
米コーヒーチェーン大手スターバックスの従業員が17日、100店舗以上で賃上げを求める一斉ストライキを開始した。
このストはスタバが毎年開催しているレッドカップキャンペーンに合わせて行われた。
従業員たちは賃上げ、労働環境の改善、都市部の忙しい店舗の人員増などを求めている。ストを主催するスタバ労働者連合によると、25州の従業員がストに参加する予定。
労組結成に反対するスタバの経営陣は17日、このストを承知しており、従業員の合法的に抗議する権利を尊重すると声明を発表した。
会社の広報担当によると、ストに参加する店舗は全米の直営店9000店舗のごく一部だという。
会社は声明の中で、「我々はすべてのパートナーにコミットし続け、スターバックスを従業員のための会社にすべく行動し続けます」と述べている。
AP通信によると、終日ストに参加する従業員は一部に限られ、その他は短いデモ行進を行い、職場に戻る予定だという。
労働者連合は店舗を閉鎖するよう求めているが、都市部の店舗は大きな収益を期待できるレッドカップキャンペーンにも力を入れたいようだ。
マサチューセッツ州ブライトンにある店舗のマネージャーはAP通信の取材に対し、「4月の組合結成投票は成功したが、会社は交渉に応じないため、ストを計画した」と述べた。「人手不足で低賃金で従業員が過労死するような職場で働きたい人はいますか?」
ニューヨーク州バッファローで組合を「独自に」結成した店舗の従業員はSNSに、「会社が非組合員の給与を引き上げると約束したことに腹が立っている」と投稿している。
経営陣は「法律に基づき、交渉なしで組合がある店舗の賃金を上げることはできない」と説明している。
全米労働関係委員会(NLRB)によると、昨年末から少なくとも257のスタバ店舗が組合結成に向けた投票を行ったという。57店舗では組合結成を拒否する投票が行われた。
スタバ労働者連合によると、経営陣は53店舗で契約交渉を開始し、さらに多くの交渉が予定されているという。これまでのところ、合意に至った店舗はない。
このプロセスは論争を呼んでいる。
NLRBは今週初め、連邦裁判所に差し止め請求を行った。訴状によると、ミシガン州アナーバーの店舗における組合員の解雇は労働法に違反するという。
NLRBはスタバに対し、従業員を復職させ、全国的な組合結成投票への干渉をやめるよう要求した。
NLRBが連邦裁判所に介入を求めたのはこれで4回目だ。今年8月の裁判ではテネシー州メンフィスで解雇された組合員7人の解雇は違法とする判決が下された。
NY州バッファローの裁判はまだ結審しておらず、アリゾナ州フェニックスの地方裁はNLRBに不利な判決を下している。
一方、経営陣はNLRB地方担当者が組合と不適切な調整を行ったという申し立てを理由に、米国の店舗におけるすべての組合結成投票の停止を求めている。