◎イヴァンカ氏は将来の大統領候補のひとりと目されており、イヴァンカ氏自身も立候補するという願望を秘密にしていないと伝えられている。
◎ある専門家はイヴァンカ氏の大統領就任の可能性について、「優秀な閣僚を起用すれば、ホワイトハウスは機能する。トランプ大統領は独裁者だったが、彼女は人の話を恐らく聞くだろう。致命的な暴動を起こすぐらいなら、傀儡政権の方がよほどマシだと思う」と述べた。
2021年1月4日 AP通信/ジョージア州マリエッタ、トランプ大統領とイヴァンカ氏

共和党とトランプ大統領の秘密兵器と呼ばれているイヴァンカ・トランプ大統領補佐官と夫のジャレッド・クシュナー上級顧問が苦境に立たされている。

イヴァンカ氏は婚約当時、ニューヨークマガジンのインタビューの中で、「ジャレッドと私は野心的という点で非常に似ています」と語っていた。

しかし、今、夫妻は2度目の弾劾裁判で歴史に名を刻んだトランプ大統領の終焉に直面し、困惑している。

1月6日のDC暴動後、議会議事堂に集まった数千人の州兵は門をガチガチに固め、像を木箱で保護し、首都を半分封鎖し、トランプ大統領を支持する極右過激派組織プラウド・ボーイズやネオナチなどに対する防衛体制を整えつつある。

トランプ大統領に煽られた過激な支持者たちは議会議事堂を破壊し、警察官1人を含む5人が暴動に巻き込まれ死亡した。その後トランプ大統領は大切なツイッターアカウントを失い、公式声明発信ツールを失った。

ホワイトハウスは記者から「イヴァンカ氏は暴動に関する声明を発表しないのか?」と質問を受け、「イヴァンカ氏は勤勉なアメリカの市民を助けるためにホワイトハウスに来ました。彼女は雇用を生み出す政策を主導しました。また、コロナウイルスに関連する中小企業の支援も率先して行いました。彼女は自分の仕事に誇りを持ち、将来を楽観視しています」とトンチンカンな声明を発表した。

CNNニュースとABCニュースによると、暴動発生後、イヴァンカ氏はトランプ大統領にバイラル動画のツイートを進言した1人だったという。

トランプ大統領は動画の中で次のように述べた。
「私はあなたが傷ついていることを知っています。私たちの選挙は盗まれました。それは地滑り的選挙でした、誰もがそれを知っています。しかし、あなたは家に帰らなければなりません。私たちは平和を保たなければなりません。私たちは法と秩序を保たなければならず、法と秩序を尊重しなければなりません。誰も傷つけたくない」

「家に帰りなさい。私たちはあなたを愛している。あなたはとても特別だ。あなたは起こったことを見てきました。あなたは共和党員がとてもひどく邪悪な扱いを受けているのを見ました」

CNNニュースによると、議会議事堂で暴動に直面した共和党のリンジー・グラハム上院議員はトランプ大統領に暴動の停止を呼びかける声明を至急発表するよう伝えたかったが、大統領とは連絡を取れなかったという。

その後、グラハム上院議員はイヴァンカ氏に電話をかけ、父親と話したいと懇願した。結果、バイラル動画が発信され、トランプ大統領は永久凍結された挙句、史上初のダブル弾劾大統領になったのである。

2017年2月23日 Getty Images/ワシントンD.C.ホワイトハウス、イヴァンカ氏

その後、トランプ大統領は暴動を厳しく非難する声明を発表した。なお、この動画を制作するよう促したのもイヴァンカ氏だったと伝えられている。

専門家はイヴァンカ氏の動きについて、「夫妻は、トランプ大統領が法的な問題に直面することを恐れていると述べた。

また、イヴァンカ氏とクシュナー上級顧問に近い情報筋によると、「夫妻は自分たちを支えてきたトランプ大統領の資金とトランプブランドの没落を回避したいと考えている」という。

情報筋はCNNニュースに対し、「夫妻は大暴落したトランプ通貨を何とか維持しようとしている。彼らは暴動以降、ほとんど姿を見せず、沈黙を守っている。それほど心配しているのだろう」と語った。

イヴァンカ氏は将来の大統領候補のひとりと目されており、イヴァンカ氏自身も立候補するという願望を秘密にしていないと伝えられている。

これに対し、共和党の関係者は、「市民はトランプ大統領が暴動を扇動した事実を決して忘れないだろう。イヴァンカ氏が本気で立候補を考えていたのであれば、今回の騒動は彼女の将来に極めて深刻な影響を与える」と指摘した。

1月13日、ニューヨーク市のビル・デブラシオ市長は声明で、トランプ・オーガナイゼーションと結んだ約1,700万ドルの契約を解除したと発表した。

同社の副社長を務めるエリック・トランプ氏はこの決定について、「政治的差別であり、私たちは精力的に戦うつもりだ」と応戦した。

トランプファミリーのフロリダ移住は間近に迫っている。しかし、ニューヨーク州の検察官はトランプ組織に関する2つの調査を精力的に進めており、世界がその動向に注目している。

州検事総長は、「トランプ大統領の財務状況」および、「会社がウェストチャスター郡の不動産で不適切に税制上の優遇措置を受けた可能性」について調査を進めている。

一部の専門家はイヴァンカ氏の大統領就任の可能性について、「優秀な閣僚を起用すれば、ホワイトハウスは機能する。トランプ大統領は独裁者だったが、彼女は人の話を恐らく聞くだろう。致命的な暴動を起こすぐらいなら、傀儡政権の方がよほどマシだと思う」と述べた。

2017年2月1日 Getty Images/ワシントンD.C.ホワイトハウス、トランプ大統領とイヴァンカ氏
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