◎ハワイ州の州都ホノルルで生まれたダンゴイカの赤ちゃんは今月初め、アメリカ航空宇宙局(NASA)のミッションに参加することを許可され、宇宙へ飛び立った。
2021年6月11日/ハワイ州ホノルルの研究室、ダンゴイカの赤ちゃん(Craig T. Kojima/ホノルル・スター・アドバタイザー/AP通信)

ハワイ州の州都ホノルルで生まれたダンゴイカの赤ちゃんは今月初め、アメリカ航空宇宙局(NASA)のミッションに参加することを許可され、宇宙へ飛び立った。

偉業を成し遂げた赤ちゃんダンゴイカは、ハワイ大学のケワロ海洋研究所で育てられ、スペースXの補給ミッションに参加した。

同大学で博士号を取得したジェイミー・フォスター研究員はホノルル・スター・アドバタイザーのインタビューの中で、「長距離宇宙ミッションがダンゴイカにどのような影響を与えるかを研究しています」と語った。

専門家によると、イカは身体の発光機能をサポートするバクテリアと共生関係にあるという。

ダンゴイカはダンゴのような形状が特徴の非常に小さなイカで、成体の大きさは大体2cmほどだという。一部の専門家はダンゴイカを「ずんぐりしたイカ」もしくは「餃子のようなイカ」と呼んでいる。

ハワイ大学のマーガレット・マクフォール・ナイ教授は、「低重力状態に置かれた赤ちゃんダンゴイカの身体とバクテリアの関係は変化します」と語った。「人間とバクテリアの関係は低重力状態で変化することがすでに分かっています。ジェイミーはその現象がダンゴイカにも当てはまると考えました」

フォスター研究員は現在、低重力状態が動物とバクテリアの関係に与える影響を研究するNASAのプログラムの主任研究員を務めている。

フォスター研究員はインタビューの中で、「宇宙飛行士の免疫システムは宇宙で過ごす時間が増えるにつれて、調節異常を起こしやすくなります」と述べた。「低重力状態に長期間さらされた宇宙飛行士の免疫システムは体内のバクテリアを認識できなくなります。結果、彼らは病気にかかりやすくなるのです」

フォスター研究員は、宇宙でダンゴイカに起こったことを理解できれば、宇宙飛行士が直面する健康問題の解決に役立つ可能性があると述べた。「月や火星で長時間過ごしたいのであれば、宇宙飛行士が直面する健康問題をクリアしなければなりません。赤ちゃんダンゴイカはNASAの宇宙開発に貢献するでしょう」

ハワイ大学のケワロ海洋研究所は、様々な研究プロジェクトのためにダンゴイカを繁殖させている。専門家によると、ダンゴイカはハワイ近海にたくさんいるという。

赤ちゃんダンゴイカは7月に帰還する予定。

1969年5月18日/アポロ10号から見た地球(NASA/AP通信)
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