◎ペロシ下院議長はヤコブ大統領、シェンロン首相、その他閣僚と会談する予定。
2022年7月29日/ワシントンD.C.議会議事堂、ナンシー・ペロシ下院議長(J. Scott Applewhite/AP通信)

米主要メディアは1日、民主党のペロシ(Nancy Pelosi)下院議長がシンガポールに到着したと報じた。

ペロシ氏は日本、韓国、マレーシアも訪問し、コロナウイルス、気候変動、安全保障、ロシアのウクライナ侵攻などについて協議するとしている。

AP通信によると、シンガポール政府の当局者はペロシ氏率いる代表団が1日未明に到着したことを認めたという。

シンガポール外務省の報道官は、「ペロシ下院議長はヤコブ(Halimah Yacob)大統領、シェンロン(Lee Hsien Loong)首相、その他閣僚と会談する予定」としている。

ペロシ氏は週末の声明でこの4カ国を訪問すると発表したが、台湾には言及しなかった。

中国の習近平(Xi Jinping)国家主席はバイデン(Joe Biden)米大統領との電話会談でペロシ氏の台湾訪問の可能性に触れ、「火遊び」を控えるよう警告していた。

米国で台湾を訪問した最も地位の高い政府高官は1997年のギングリッチ(Newt Gingrich)元下院議長。ペロシ氏が訪問すれば、約25年ぶりの下院議長訪台となる。

バイデン政権はペロシ氏の訪台について、「中国と衝突する理由はなく、ホワイトハウスの政策にも変化はない」と断言している。

米国と中国は1979年に国交を正常化した。しかし、米国は台湾と緊密な関係を構築し、数十億ドルの貿易と投資を行っている。この非公式の関係は米国以外の西側諸国にも当てはまる。

米国は「一つの中国政策」を全面否定し、台湾を擁護しつつも、その争いの平和的解決を望むという中途半端な立場を維持している。

一方、中国は台湾を自国の領土とみなし、必要であれば侵攻も辞さないと警告している。

台湾の擁護者である反共産党のペロシ氏の台湾訪問はキャリアの集大成と呼べるものになるだろう。同氏は議会と公の場で中国を徹底的に批判し、国際社会でその力を示そうとしている。

新華社通信は先週、専門家の話を引用し、「ペロシ氏の専用機が台湾に入れば、人民解放軍の戦闘機もそれに続き、初めて台湾本土を横断することになるだろう」と報じた。

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