◎モルモン教は米ユタ州に本拠を置き、信者数は約1700万人。
2015年8月4日/米ユタ州ソルトレイクの末日聖徒イエス・キリスト教会(Rick Bowmer/AP通信)

末日聖徒イエス・キリスト教会(モルモン教)は15日、同性婚を保護する連邦政府の法案を支持すると発表した。

モルモン教はユタ州に本拠を置き、信者数は約1700万人。教義によると、同性間の関係は神の戒律に反するという。しかし、「信仰の権利を侵害しない限り、同性カップルの権利は支持する」としている。

モルモン教は公式ウェブサイトの声明で、「このアプローチが進むべき道であると信じています。信教の自由をLGBTQ(性的少数者)の権利とともに守り、協力すれば、より大きな理解を育むことができるでしょう」と述べている。

一部の保守層は連邦議会で審議中の「結婚尊重法(Respect for Marriage Act、RFMA)」に懸念を示している。

モルモン教は今回、同性カップルとLGBTQ+の権利に理解を示したが、多くの信者にとって、それを受け入れることは苦痛である。

モルモン教は同性婚や同性間の性的関係に反対してきたが、近年はLGBTQに理解を示す姿勢をとっている。2016年には同性間の恋愛は罪ではないと宣言した。しかし、「セックスは罪」という立場は維持している。

この法案は民主党と共和党の超党派の支持を得ており、早ければ今週中か今月末にも上院で採決される見込みだ。

この法案はクリントン政権時代に制定された連邦法「結婚防衛法(Defense of Marriage Act、DOMA)」を廃止し、各州で合法的に行われたすべての結婚を承認することを義務付けるものである。

また、性別、人種、民族、国籍に関係なく合法的な結婚を認めるよう各州に義務づけ、異人種間の結婚を保護する。

ユタ州の州議会議員4人(モルモン教徒)は今年初め、この法案への支持を表明した。

モルモン教は「その敷地内で同性カップルの結婚を認めないことを違法とする州法」には反対している。しかし、信教の自由を明確にすることを原則して、「同性愛者の雇用や住宅購入差別を禁止する州法」には支持を表明してきた。

結婚尊重法案は同性婚に対する最高裁判決を完全に成文化したものではなく、またそれに反対する人々の宗教的自由に対する懸念のすべてを詳細に説明したものでもない。

モルモン教はこの法案を、「過去にできなかった宗教的自由の保護を通すための手段」と評している。

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