◎グリーン氏はトランプ前大統領が引き起こした昨年の1月の議会襲撃事件で「反乱」を呼びかけたとされる。
2022年4月22日/ジョージア州アトランタ、共和党のグリーン下院議員(John Bazemore/Pool/AP通信)

米共和党のマージョリー・テイラー・グリーン(Marjorie Taylor Greene)下院議員は6日、議会選への立候補を禁じようとする訴訟で勝訴したと発表した。

トランプ前大統領の同盟国で極右陰謀論「Qアノン」を信奉するグリーン氏は、南北戦争時代に制定された「国家を守る」という宣誓に違反したとして、公職に就くことを禁じる裁判にかけられていた。

グリーン氏は6日、「ACQUITTED(承認)」とツイートした。

グリーン氏はトランプ前大統領が引き起こした昨年の1月の議会襲撃事件で「反乱」を呼びかけたとされる。

民主党が主導する調査委員会はグリーン氏を含む複数の議員が襲撃事件で重要な役割を果たしたと主張している。

合衆国憲法修正第14条「暴動者失格条項」は、選出された議員が米国に対する暴動または反乱に従事し、その敵に援助または慰めを与えた場合、再び職を求めることを禁止するとしている。

原告はグリーン氏がSNSや公の場で襲撃事件の実行者たちに武装を求める「暗号化」された呼びかけを行ったと主張した。

しかし、グリーン氏はこの告発を却下し、「私はいかなる暴力も支持しない」と訴えた。「私は議会の集計を妨害しようとする試みなど全く知りませんでした。何も知らない私が暴力を支援するなどあり得ません」

ジョージア州地方裁判所の判事は6日、グリーン氏の立候補を禁じる訴えについて、「原告はグリーン氏が襲撃事件に関与したことを証明する十分な証拠を提示していない」とし、訴えを退けた。

また判事は、グリーン氏が公職にとどまるかどうかは、ジョージア州の議会選で決まると付け加えた。

今年11月の中間選挙で再選を目指すグリーン氏は判決を歓迎し、異議申し立てを「言論の自由、選挙、そして有権者に対する前例のない攻撃」と呼び、非難した。

異議を申し立てた原告の「フリー・スピーチ・フォー・ピープル(Free Speech for People)」は判決を不服とし、控訴すると約束した。

同団体は6日、「今回の判決は自由で公正な選挙を混乱させた政治的暴力に合格点を与えるものだ」と怒りの声明を発表した。

トランプ前大統領の圧力に直面したジョージア州のブラッド・ラフェンスペルガー(Brad Raffensperger)州務長官は、裁判所の決定を受け入れるとした。

トランプ前大統領は2020年の大統領選でジョージア州を失うことが確実となった際、ラフェンスペルガー州務長官に「1万1780票を見つけたいんです」と懇願した。「現在の票差はたった1万1779票です。分かっているでしょう。私は1万1780票を見つけたいんです」

2021年1月6日/ワシントンD.C.議会議事堂、暴徒の襲撃に備え議員たち(Getty Images/AFP通信/PAメディア)
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