◎親トランプ派は先日、密室投票でリズ・チェイニー下院議員をナンバー3のポストから引きずりおろすことを決め、若手の親トランプ筆頭と呼ばれるエリーゼ・ステファニク下院議員を後任に指名した。
2021年5月14日/ワシントンD.C.議会議事堂、リズ・チェイニー下院議員に代わって党大会議長に就任したエリーゼ・ステファニク下院議員(左)(AP通信/Andrew Harnik)

米主要メディアによると、ドナルド・トランプ前大統領を激しく非難したことで共和党の党大会議長から追放されたリズ・チェイニー下院議員は、1月6日のワシントンD.C.議会議事堂の暴動が再び発生する可能性があると警告した。

チェイニー氏は1月6日の暴動と2020年の大統領選挙に関するトランプ前大統領の発言や行動を絶え間なく非難していた。親トランプ派は先日、密室投票で同氏をナンバー3のポストから引きずりおろすことを決め、若手の親トランプ筆頭と呼ばれるエリーゼ・ステファニク下院議員を後任に指名した。

チェイニー氏は現地メディアのインタビューの中で、「共和党はトランプの嘘を容認し、世界に恥をさらした」と同僚を非難した。「私は恐怖を感じています。共和党は合衆国憲法が定める民主的な選挙を却下し、国民の意思を尊重せず、前大統領が勝利したと主張し続けています。私たちはそれが何を意味するかを理解しなければなりせん」

「トランプは1月6日の暴動を止めず、暴徒を煽り、議会に救援を送らず、ホワイトハウスで事件を静観していました」

チェイニー氏は別のインタビューの中で、「共和党のケビン・マッカーシー下院少数党首とナンバー3に就任したステファニク下院議員がトランプ前大統領を受け入れた場合、どうするか?」と質問され、「私は支持しない」と述べた。「私たちはトランプに立ち向かう必要があります。私はあの男を2度とホワイトハウスに近づかせないように、できる限りのことをするつもりです」

リベラルなニューヨーク州出身のステファニク下院議員は、5月14日の密室投票でチェイニー氏の後任に選ばれた。ステファニク下院議員は30歳で初当選を果たした若手の筆頭格で、かつては反トランプと明言していたが、ここ数年の間に態度を軟化させ、最も頑固な親トランプ派に変身した。

2021年5月14日/ワシントンD.C.議会議事堂、共和党のケビン・マッカーシー下院少数党首(左)とエリーゼ・ステファニク下院議員(AP通信/Andrew Harnik)

ステファニク下院議員は16日、共和党は民主党を打ち負かすという目標に向けて統一されたと述べ、「トランプ大統領は将来の共和党の成功に重要な役割を果たす」と主張した。「トランプ大統領は共和党のリーダーです。有権者は投票でリーダーを指名します。アメリカはトランプ大統領のビジョンを今も必要としています」

一方、親トランプ派のアンドリュー・クライド下院議員とルイ・ゴーマート下院議員などは先週、1月6日の暴動を観光イベントと呼び、脅威などなかったと主張した。

チェイニー氏はABCニュースのインタビューの中でクライド下院議員らの発言を却下し、「一部の議員は世界に恥をさらしても涼しい顔をしている」と述べた。「1月6日の暴動を観光イベントと信じている人が議会にいます。これは恥ずべきことです。共和党は1月6日のクーデター未遂を擁護するべきではありません。暴動に加担した者は責任に問われるべきです」

チェイニー氏はマッカーシー下院少数当社は暴動を調査している超党派委員会の前で宣誓し、真実を語るべきだと述べた。「マッカーシー議員は1月6日の真実を知っています。トランプの調査をうやむやにしてはいけません。マッカーシー議員はFBI、司法省、議会が持っていない重要な情報を持っています」

チェイニー氏は昨年11月の大統領選挙でトランプ前大統領に投票したことを後悔していると述べ、2024年の再出馬を阻止するためにできる限りのことをすると誓った。

トランプ前大統領は16日、公式ブログ「ドナルドの机(From the desk of Donald J.Trump)」に声明を投稿した。「ニュース速報!CBSニュースが新しい世論調査を公開しました。共和党員の80%がトランプ大統領を強く支持し、リズ・チェイニーの解任に同意しなかった党員は20%しかいませんでした。また、共和党員の67%が居眠りバイデンを2020年大統領選挙の正当な勝者と見なしていないことが判明しました。私はCBSと回答者に100%同意します。事実とデータを見てください。バイデンは2020年の勝者ではありません」

2016年2月1日/ワイオミング州ジレットの高齢者センター、共和党のリズ・チェイニー下院議員(中央)(Ed Glazar/Gillette News Record/AP通信)
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