◎ハイチの治安は2021年7月のモイーズ大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
2021年10月22日/ハイチ、首都ポルトープランスのラサリーネ地区、ギャンググループ「G9&Family」の構成員(Getty Images)

米ニューハンプシャー州出身の女性とその子供が中米ハイチで誘拐された。ハイチ当局などが29日、明らかにした。

それによると、2人は首都ポルトープランスで27日に誘拐されたという。

ポルトープランスなどで活動する人道団体は声明で、「女性とその子供は我々の拠点で避難民に支援を提供している最中、武装ギャングに誘拐された」と述べている。

ABCニュースによると、この女性はニューハンプシャー出身。現在はハイチで働いている。

米国務省の報道官は29日に放送されたABCニュースのインタビューで、「同省は米国市民2人が誘拐されたことを認識しており、ハイチおよび関係機関と密に連絡を取り合っている」と語った。

同省は今週在外公館の職員やその家族を含むハイチで生活する米国籍保有者や旅行者などに退避を勧告した。

同省は公式ホームページに掲載した声明で、「ハイチにいる米国市民は現在の治安状況やインフラの課題を考慮し、民間交通機関を利用するなどして、できるだけ早くハイチを離れるべきである」と述べている。

また同省は誘拐が蔓延し、犯罪、内乱、医療インフラが不足しているとして、米国民に対し、ハイチへの渡航を控えるよう勧告した。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは半年ほど前から複数の武装ギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。地元の人権団体はこの争いで民間人数千人が死亡または行方不明となり、数十万人が国外に逃亡したと推定している。

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