◎ミネソタ州ミネアポリスの裁判所は20日、アフリカ系アメリカ人ジョージ・フロイド氏を絞め殺した元警察官、デレク・ショーヴィン被告に3つの罪状(第2級殺人、第3級殺人、過失致死罪)すべてで有罪評決を言い渡した。第2級殺人の最高刑は懲役40年。判決は8週間以内に言い渡される。
2021年4月20日/ワシントンD.C.ホワイトハウス、ジョー・バイデン大統領とカマラ・ハリス副大統領(エヴァン・ヴッチ/AP通信)

4月20日、米ジョー・バイデン大統領とカマラ・ハリス副大統領は、ジョージ・フロイド事件の評決に関する声明を発表した。

ミネソタ州ミネアポリスの裁判所は20日、アフリカ系アメリカ人ジョージ・フロイド氏を絞め殺した元警察官、デレク・ショーヴィン被告に3つの罪状(第2級殺人、第3級殺人、過失致死罪)すべてで有罪評決を言い渡した。第2級殺人の最高刑は懲役40年。判決は8週間以内に言い渡される。

ハリス副大統領は演説の中で、「今日、私たちは安堵のため息をつきました」と述べた。「しかし、評決は痛みを取り除いてくれません。今回の評決でアメリカの正義はあるべき姿に一歩近づきましたが、私たちにはまだやるべきことがあります。私たちは警察システムを改革しなければなりません」

バイデン大統領は「評決は十分ではなかった」と述べた。「元ミネアポリス警察官のデレク・ショーヴィン被告は全ての罪で有罪を言い渡されました。事件はハリス副大統領が言及したアメリカの魂の汚れである体系的な人種差別、アフリカ系アメリカ人に対する暴力、深刻な恐怖、トラウマ、痛みを生み出し、アメリカで生活する有色人種に途方もない疲労感を与えました」

「この評決はアメリカの正義を改革する大きな一歩になる可能性があります。私たちは行動しなければなりません」

バイデン大統領は警察改革法案の審議が遅れていることに失望を表明し、無抵抗の市民に対する警察官の過剰な暴力を禁止する法律を速やかに施行しなければならないと強調した。議会下院は同法案は昨年6月に可決したが、上院共和党はこれを阻止し続けている。

また、バイデン大統領はフロイド氏が残した遺産は暴力ではなく平和だと国民に呼びかけ、評決に対する反応は平和的に行わなければならないと警告した。「評決に対する平和的な行動や呼びかけは許可されますが、暴力や暴動はいかなる理由があろうと決して許可されません。社会正義に関心のない扇動者や過激派は、暴力を実行し、財産を破壊し、憎しみと分裂の炎を燃え上がらせます。アメリカは暴力や暴動を決して許しません」

2021年4月20日/ミネソタ州ミネアポリスのジョージ・フロイド広場(アドリース・ラティーフ/ロイター通信)
2021年4月20日/ミネソタ州ミネアポリス、フロイド氏の家族の弁護団代表を務めるベン・クランプ弁護士(中央)と関係者(ニコラス・フォシ/ロイター通信)

米ABCニュースによると、バイデン大統領とハリス副大統領はホワイトハウスのプライベートダイニングルームでスタッフと一緒に判事の評決を聞いたという。

評決が言い渡された後、バイデン大統領はミネソタ州のティム・ワルツ州知事と電話で話した。その後、バイデン大統領、ハリス副大統領、ファーストレディは、フィロニーゼ・フロイド氏(ジョージ・フロイド氏の兄弟)とも電話で話している。

バイデン大統領はフィロニーゼ・フロイド氏に対し、「3つの罪がすべて認められたことに安心した」と述べた。「私たちはもっと多くのことを成し遂げるつもりです。今回の評決は始まりにすぎません。私たちは警察システムを改革するために行動し続けるでしょう」

ハリス副大統領はフィロニーゼ・フロイド氏に、「今日はアメリカの正義の日であり、あなたとあなたの家族は私たちが必要としていた真のリーダーでした」と述べた。「ジョージとあなたたちが残した遺産は語り継がれます。そして、私たちはフロイド家が多くの犠牲を払ったことを理解しなければなりません。ホワイトハウスは次の目標を達成するために行動します...」

評決が言い渡される前、バイデン大統領は記者団に対し、「正しい評決」が下されることを望むと述べていた。「私は圧倒的な結果になると思っています。陪審員たちは話し合っていると聞きました。司法は憲法に従い、正しい評決を下すでしょう」

2021年4月20日/ワシントンD.C.ホワイトハウス、ジョー・バイデン大統領(エヴァン・ヴッチ/AP通信)
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