◎声明によると、デイビッド・シェーン弁護士とブルース・L・キャスター.Jr弁護士が新法務チームを率いるという。
2020年10月30日 Getty Images/ワシントンD.C.ホワイトハウス、トランプ大統領(当時)

1月31日、トランプ前大統領の事務所は声明で、新しい弾劾裁判法務チームを結成したと発表した。

声明によると、デイビッド・シェーン弁護士とブルース・L・キャスター.Jr弁護士が新法務チームを率いるという。

前日、トランプ弾劾法務チームからリーダーのブッチ・バウアーズ弁護士他、計5人の弁護士が離脱した。5人がチームから去った主な理由は、トランプ氏が弾劾裁判の合憲性ではなく、「選挙の不正を暴くことに集中したい」と主張したため、と伝えられている。

トランプ氏は、大統領選挙やDC暴動関連の虚偽の主張を認めないと決断し、弁護士探しに苦労した。

米主要メディアによると、トランプ氏の顧問は法的戦略についてチームと話し合い、トランプ氏に「不正選挙ではなく、元大統領に対する弾劾裁判の合憲性を問うべきだ」と主張したという。

シェーン弁護士とキャスター弁護士がトランプ氏の主張を解決するために雇われたかどうかは不明である。

トランプ氏の事務所は、「シェーン弁護士はすでに第45代大統領や他の顧問と協力して弾劾裁判の準備を進めている。シェーン弁護士とキャスター弁護士は、上院共和党員45人と同じく、この弾劾裁判が違憲であることに同意している」と述べた。

弾劾法務チームに加わったシェーン弁護士は声明の中で、「第45代アメリカ合衆国大統領、ドナルド・J・トランプ氏および、合衆国憲法のために戦うことを光栄に思う」と語った。

デイビッド・シェーン弁護士:
「アメリカの憲法はいまだかつてない試練に直面している。しかし、時代を超えて書かれた憲法は、党派主義を超越し、必ず勝利するだろう」

2009年9月10日 AP通信/サウスカロライナ州、コロンビアの州議会議事堂、トランプ前大統領の法務チームから離脱したブッチ・バウアーズ弁護士

シェーン弁護士のウェブサイトによると、同氏は「裁判および、上訴裁判所での複雑な民事および刑事訴訟に焦点を合わせている」という。

同氏は米国法曹協会、公民権訴訟委員会の刑事司法小委員会委員長を務めている。

シェーン弁護士は、トランプ氏の元顧問で政治活動家のロジャー・ストーン氏の弁護士チームに所属していた。

ストーン氏は2016年のロシア疑惑に関するロバート・ミューラー特別検察官の調査で、司法妨害、改ざん、議会への虚偽の供述など、計7件の罪で起訴され有罪判決を受けたが、昨年のクリスマスにトランプ氏から恩赦を与えられた。

またシェーン弁護士は以前、メディアの取材に対し、児童買春で有罪判決を受け自殺した故ジェフリー・エプスタイン氏の死因は「自殺ではないと信じている」と述べ、物議を醸した。

エプスタイン氏は、1994年にトランプ氏と共謀して13歳の少女(当時)をレイプしたと告発された。なお、連邦裁判所はこの訴えを棄却している。

シェーン弁護士はフォックスニュースのインタビューの中で、「私は数日前にエプスタインに会った。私は彼と話し、弁護を引き継ぐよう依頼された。戦う気満々の男が拘置所内で首を吊るとは到底思えない」と語っている。

ブルース・L・キャスター.Jr氏はペンシルべニア州の有名弁護士で、モンゴメリー郡(メリーランド州)の地方検事を務めていた。

トランプ氏を有罪にするためには、少なくとも17人の共和党員が造反し弾劾賛成に投票する必要がある。

しかし、「元大統領の弾劾は違憲」という異議申し出に共和党員45人が賛成し、弾劾決議案が可決される可能性は非常に低いことが先日明らかになった。

弾劾裁判は2月8日の週に始まる予定である。

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